2014年に「アマゾンエコー(Amazon Echo)」が初めてリリースされたとき、多くの人はどう使えばよいのか戸惑った。しかし、AIアシスタント「アレクサ」を搭載したエコーは大ヒットとなり、その後グーグルやアップルが慌ててスマートスピーカー市場に参入した。

アマゾンは9月27日、シアトルで開催のイベントで、エコーの新型モデルをはじめ、アレクサを搭載した多数の新デバイスを発表した。同社はユーザーのあらゆる生活シーンにアレクサを対応させたい考えだ。

第2世代のエコーのカラーバリエーションは6色で、黒と白の2色展開の現行モデルに比べてスタイリッシュだ。また、ドルビープロセッシングを採用し、音声品質が向上している。しかし、なんといっても最大の違いは価格が大幅に安くなったことだ。新型エコーの価格は、現行モデルの180ドルを100ドルも下回る。

150ドルの「エコープラス(Echo Plus)」は、スマートホームにおけるハブとしての機能を果たす。ZigBee内蔵のスマートホームデバイスであれば、「アレクサ、デバイスを探して」と声を命令するだけで自動的にセットアップ設定をしてくれる。また、35ドルの「エコーコネクト(Echo Connect)」は、アレクサ搭載デバイスを固定電話に変えてくれるアダプターだ。電話回線だけでなく、インターネット回線に接続することもできる。

130ドルの「エコースポット(Echo Spot)」は、ディスプレイ搭載で目覚まし時計のような形状をしている。サイズは、同じくディスプレイを搭載した「アマゾンショー(Amazon Show)」よりも小さい。

ガートナーのアナリスト、Werner Goertzはスポットを高く評価する。彼はエコーよりも小型で価格も安い「アマゾンドッツ(Amazon Dots)」を自宅で数台使用しているが、今後は全てスポットに置き換える予定だという。「音声だけでなく、ディスプレイもあることは非常に重要だ」と彼は言う。

「アマゾンの戦略は明確だ。彼らは、あらゆる生活シーンでアマゾンのサービスにアクセスできる環境を提供しようとしている」とGoertzは話す。

BMWにもアレクサを投入へ

イベントでは、アレクサをBMWに搭載する計画も合わせて発表された。まずは、BMW傘下のミニに搭載され、2018年中頃に実現する予定だという。

アマゾンの圧倒的な拡大戦略は、グーグルやアップルらの追随を困難にするだろう。グーグルは130ドルのスマートスピーカー、「グーグルホーム(Google Home)」を普及させようとしている。また、グーグルは、「グーグルアシスタント」のSDKを公開してサードパーティ製デバイスへの搭載を可能にしたが、アマゾンのアレクサに大きく後れを取っている。

アップルも「ホームポッド(HomePod)」を発表したが、350ドルという高額な価格が障害となり、広く普及させるのは難しいだろう。

しかし、アップルとグーグルには、アマゾンにはない強力な武器がまだ残っている。それは、スマートフォンだ。iOSとAndroidのエコシステムは既に多くのユーザーを囲い込んでおり、音声アシスタントを端末に搭載すれば、多くの家庭にリーチすることができる。

一方、アマゾンにとって幸運なのは、エコーのような音声アシスタント専用のデバイスに対する需要が急増しており、スマートフォンを製造していないことが必ずしも不利に働かないことだ。

「アマゾンには先行者利益がある上、幅広い製品ポートフォリオを揃えたことで、グーグルなどの競合が追随することが非常に困難になった。アップルは参入時期が遅かったことに加え、価格を350ドルに設定したことで、さらに厳しい状況に置かれている。私は、アップルが今後一層アマゾンに引き離されると予測している」とGoertzは話した。



Aaron Tilley