今年7月、北京市は世界貿易機関に対して、プラスチックや分別されていない紙類など、主に米国から入ってくる24種類の固形廃棄物の受け入れを禁止する計画を伝えていた。環境保護のためだ。こうした固形廃棄物には、汚く、有害な物質が大量に含まれていることが多く、それは深刻な環境汚染を及ぼす可能性がある。

しかし、この決定により、新たな環境問題が生まれている。米国内で埋め立て、あるいは償却しなければいけないゴミが増えてしまうのだ。

中国の決定は、米国のリサイクル産業に50億ドル(約5600億円)の損失をもたらすことになる。何百万トンというゴミが行き場を失い、リサイクル材の値段が高騰することで、米国内のリサイクル産業が害を受けるという負のスパイラルが生まれてしまう。

廃棄物とゴミは、米国から中国への6番目に大きな輸出品目であり、中国以外に、米国が出す大量のゴミを受け入れ、処理できる国は存在しない。

リサイクル大国・中国

多くのリサイクル材は地域で処理することができるが、近年、中国やインド、南米といった発展途上国に送られる量が増えている。これらの国で、鉄や紙、プラスチックは消費財やパッケージングへとリサイクルされ、再びヨーロッパやアメリカに送られる。

それでも、世界全体では5%の材料しかリサイクルされておらず、必要とされる原材料をリサイクルで賄うことはほとんどできていない。米国の平均的なミドルクラスの家庭は、1年間に4000トンの物質を使うからだ。米国全体では、その量は1兆トンを超える。そしてそれは、大量のリサイクル材を生み出すことになる。

しかし、なぜ中国は、世界最大のリサイクル材の受け入れ国となったのだろうか?

それは、中国が驚くほど多くの原材料を使うからだ。そしてリサイクル材は、安い原材料をつくるためのよい資源となる。中国は、世界のアルミニウムの54%、銅の48%、ニッケルの50%、鉄の45%、コンクリートの60%を使う。中国は過去3年間で、米国が20世紀の間に使った量を超えるコンクリートを使っている。

リサイクル技術をアップデートせよ

ワシントン州の企業Columbia Pulpは最近、藁などの農業廃棄物を紙やウッドチップに変える新しいリサイクルテクノロジーを使うことを発表した。それによってエネルギーと化学物質の使用を抑え、CO2排出を減らすことができるという。

また今日では、さまざまな物質を分別するためにテクノロジーを使うことができ、消費者が自ら分別をしたり、リサイクル工場のスタッフが手作業で仕分けるといった人件費のかかる方法をとる必要もなくなっている。

磁石を使ったシンプルな技術から赤外線によるゴミの分別システムにいたるまで、コンピュータはゴミの色や種類、形を見分けることができる。そしてエアジェットが特定のゴミを押し出し、ベルトコンベアから容器に移すことができる。いまや紙やプラスチックは98%の精度で仕分けることができ、これは人間が行うよりも正確なのだ。

従って、中国がゴミの受け入れを禁止したことに対する正しい対応とは、米国内でより多くの材料をリサイクルできるような方法をイノベイトすることだ。 そして中国や南アジア、南米などのリサイクル市場がゴミを受け入れやすくするために、リサイクル材をきれいに、かつ分別することである。

どのみちリサイクルは行うべきである、ということだ。中国に頼っても、頼らなくとも。

James Conca