日本人の検定好きはあいかわらずで、全国各地で毎日のように検定試験があり、検定試験を専門で扱う雑誌もあり、そんな雑誌に影響され、さらに新しい検定試験もできている。これは、外国人からすると珍しくもあり、一面では尊敬の目でも見られている。
 
いま世間は就職活動の真っ最中で、学生も転職希望者も、資格に対してとても意識が高くなっている。履歴書にはいろいろな検定試験の資格や「級」を載せているようだが、判断が困るものも多いそうだ。

世界遺産検定や城郭検定は人生が豊かになりそうだし、ジャイアンツ検定やチョコ検定などというのが履歴書に記されているのはなかなか微笑ましい。お好み焼き検定にも地元愛を感じてしまい、面接時間に余裕があれば聞いてみたくなる話題だろう。

美容業界では、ネイル検定やアロマ検定が10年以上前から市民権を得ている。ネイルでは細かいアート性のところから爪切り処理の衛生の部分まで多くの知識が必要である。

ニューヨークやロンドンでペディキュア(足のネイルアート)サロンに行って、日本のフットバスの用具と比較してみると、足を入れるには勇気がいるサロンがいくつもあった。やはり日本は認定試験にすることで衛生管理もできているようで、協会の取り組みに感謝したい。

化粧品検定が美容業界では人気

最近の美容業界では、化粧品検定(コスメ検定)が人気で、化粧品の使い方やメイクだけではなく、内容成分も化学成分からオーガニックハーブ、そして薬事法とはどんなものかまで学習しなければいけない認定試験である。

化粧品の役割が進化し、医薬的な多機能性や専門性でメーカーが競い合う時代になってきた。しわ対策のコスメがヒット商品となったのも昨年で、耳に新しい。

機能性が高いと、使い方を間違えないように、正しい使用方法から成分、広告宣伝の文言などの表現の専門性や正確性までが問われる。正しい知識やそのエビデンス、歴史的背景、薬事法の知識などまでを網羅しながら、化粧品検定では楽しく美容を極めることができる。

女性からすると、間違った使用法で顔が腫れ上がっては表も歩けない……なんてことになるので、サービスする側が正確な知識を保有していることが肝心となる。感覚で捉えがちであり、主観的になりがちな判断基準が、検定試験があることで客観的に明確にできる。
 
アロマ検定も人気だが、もう少し身近な「香り」や「フレグランス」に関する検定があってもいいのではないかと思っている。これらは主観的、感覚的なものが中心となるため、認定制度が難しいかもしれないが、科学的知識と連動した基準が「香水」にあってもいいのではないかと思う。

また、認定試験とは別に、商品に基準がついてくれると便利ではないかとも思う。日焼け防止の化粧品にはSPFとか、PAといった基準がある。購入時の判断基準となる一目瞭然のシステムが化粧品には浸透している。
 
一方、香りの製品の基準は、「無香料」「微香」「弱香料」などニュアンスがイマイチわかりにくいと感じる。香りがとくに好きな人、そうでない人もいるので、香料の度合いが0とか1とか最大で5とか、そういう数値化して評価できないものだろうか。

そうすると、銀行員の女性は社内ルールで0〜2までなら良いとか、小洒落た寿司屋ではヒノキのカウンターを楽しめるように0〜1とかかなり具体的になる。ある程度の目安を業界が先行してつくってくれると、もっと便利になるのではないか。
 
美容業界では女性が多く活躍しているが、お局さんからすると若い人の香りが「大げさ」とか、若い人からするとお局さんのフレグランスが「若づくり」とか、互いの香りが自己主張になり、最終的には百貨店の1階は多種多様なフレグランスがまざり、なんとも言えない重い空気になっていたりする。

女性が多く活躍する時代には、香りの数値化は、わかりやすい判断基準ではないだろうか。香りの検定試験と併せて進めていけば、日本が世界のフレグランス業界をリードできるのではないだろうか。

朝吹 大