砂漠やモスク、そして木造船が浮かぶクリーク。ドバイの発展の礎となった歴史や取り囲む環境を知ると、過去から現在を結んだ延長線上に、未来のドバイの姿が見えてくる。

砂漠の民は噴水がお好き

世界最大のショッピングモールとして有名なドバイモールの横では、世界最大を謳う噴水ショー「ドバイ・ファウンテン」が開催されている。高さ150mまで、2万2000ガロンもの水を吹き上げる。砂漠の民にとって、貴重な水をふんだんに使うことは最高の贅沢だ。

ビーチでの開放的なイベント

超富裕層から、経済的に優遇されているエミラティ、そしてドバイに可能性を求めて集まる外国籍のビジネスパーソン、そして月に3万円程度の給料で建築工事などに携わる外国人労働者。スーパーラグジュアリーの世界もまたドバイの一つの姿ではあるが、その一方で「ドバイ・フード・フェスティバル」のように高級グルメやストリートフードが通常よりも安価に食べられる、庶民的なレジャーも開催されている。


(左)噴水ショー「ドバイ・ファウンテン」(右)ドバイ・フード・フェスティバル

未来と過去を見つめる額縁

高さ150mの巨大な額縁、「ドバイ・フレーム」。エレベーターにより移動する上部の展望フロアからは、北側の旧ドバイ地区であるオールド・ドバイと、南側のバージュ・カリファなどのニュー・ドバイを眺めることができる。

床には透明な素材が使用されており、民族衣装に身を包んだエミラティが、空に浮かんでいるようなスリリングな体験を子供のようにはしゃいで楽しむ姿も。展望体験の最後には、ドバイの歴史と50年後の未来をVRで体験できる「バーチャルメトロポリス」も楽しめる。


床に透明な素材が使用されているドバイ・フレームでは、スリリングな体験が可能。

サスティナブルな生活のために

ドバイ中心部から南へ約30キロの位置にある「サスティナブルシティ」は太陽光発電を利用したスマートコミュニティ。約500万平方フィートの敷地に、500戸の住宅、ホテル、モスク、学校、オフィスに商業施設を備える。敷地内のバイオドームではトマトやレタス、パセリなどの野菜を育てており、入居者は月に8枚配布されているチケットと引き換えに家庭で食べる野菜をピックアップすることができる。

開発を進めているのはドバイのDiamond Developers社。すでに90%のレジデンスには入居者がいる。


3Dプリンターオフィス

3Dプリンターで作ったオフィス

”これは3Dプリンターで成形された素材で作られた実験的な建物です”。国営プロジェクトであるDubai futurefoundation のノア・ラフォード氏は説明する。建築と不動産とエンジニアリングは、ドバイ経済の30%を占める領域であるにもかかわらず、セメントを使い、シャベルで掘るといった手作業によるところが大きい。このオフィスを建築することで、テクノロジーによる効率化を探った。プリンティングに17日、組み立てはわずか2日だったという。

ビッグイベントへの期待も高まる

2020年に開催されるExpoに向け、街には看板やタペストリーが設置され、盛り上がりを見せるドバイ。過去最大の180カ国が参加し、2500万人の来場客を想定。アフリカ、南アジア、中東のエリアにおける初の開催となるため、特にアフリカ諸国と協調しながら進めていくという。Expoのプロジェクトに関わるスタッフの半数以上がエミラティではなく外国籍だというあたりも、ドバイらしさを感じさせる。

モダンに洗練されたスポットも続々

Expo向けにホテルの整備も急ピッチで進められている。今回は、バージュ・カリファから1キロ程度とロケーションの良い「ルネッサンス ダウンタウン ホテル ドバイ」に滞在。マリオット・インターナショナルが運営する、ラグジュアリーな時間を過ごすことのできるホテルだ。ウォーターキャナル、または超高層に面した広い窓から眺める景色も旅情をくすぐる。


(左)ルネッサンス ダウンタウン ホテル ドバイ(右)BLEUBLANC by デイビッド・マイヤーズ

森本正治シェフによるレストラン「Morimoto」、デイビッド・マイヤーズによる薪火で焼き上げるグリル料理が絶品の南仏レストラン「BLEUBLANC」など食も充実。

圧倒的な迫力の巨大建造物、想像を絶するスケールの人工島、いたるところで「世界最大」「世界最高」が謳われる華やかさ。街を歩けば、日本とは比にならないほど多くの人種とすれ違うグローバルな社会。

実は筆者は2年前にドバイを訪れている。街中のいたるところで行われていた道路工事や新しいビルの建築に、成長の勢いを感じていた。そんなエネルギーあふれる空気感はそのままに、いま改めて見たドバイでは、郊外にも多くのレジデンスが整備され、新たな中心地になることを目論むかのような開発が繰り広げられている様子が印象深い。

ドバイといえば贅を尽くしたラグジュアリーなリゾートに目が向きがちだが、街を歩き、訪れるごとに変化を続ける今のドバイのパワーを感じることもおすすめしたい。そして、変わることなくそこに佇む、広大な砂漠もまた「いま行くべきドバイ」だ。

Forbes JAPAN 編集部