人の優しさや思いやりに触れるとうれしいものですが、ときにその優しさに困ってしまう、ということがあります。今回は、知人から聞いた優しさが裏目に出て「気持ちはうれしいんだけど……(困)」と、なってしまったエピソードをご紹介します。
厳しくも優しい先輩
職場の先輩にAさんという人がいました。Aさんは母親くらい年齢が離れていましたが、厳しくも面倒見のいい人で、とてもよくしてもらっていました。
体調を崩した私に声をかけてくれて
ある時、体がダルく、少し調子が悪いな、という日がありました。熱はなかったので、『まあ疲れが出たのかな?』くらいに思っていました。
すると、そんな私の様子にすぐ気づいてくれたAさん。
「どうしたの?」と声をかけてくれました。
少し調子が悪いことを話したところ、Aさんが「これよく効くから。」と市販の漢方薬をくれました。
『とりあえずこれを飲めばだいたい元気になる』と、昔からよく飲まれているものだそうです。
独特の香りが
もらった漢方薬の名前は聞いたことがありましたが、口にするのは初めてでした。
Aさんは、「体調が悪いなら、温かいほうがいいね」と、わざわざお湯に溶かしたものを作ってくれました。
顔を近づけてみると、なんとも言えない独特の香りが。恐る恐るひと口飲んでみると、味わったことのない味がします。漢方薬のクセのある味は、はじめての私には、どうにも受け付けませんでした。
正直、全部飲める気がしませんでしたが、でも目の前にAさんが。『まずいから飲めない』なんて、とても言えませんでした。
気持ちはうれしいけど
粉薬の状態ならまだ一気に水で流し込めましたが、熱々なのでそれもできません。
私は、息を止めながらなんとか飲み切りました。
私の体調にいち早く気づいてくれ、漢方薬をくれたAさんの優しさは本当にうれしかったです。良薬は口に苦しという言葉もありますが、漢方薬の香りは人を選ぶのかもしれないと思いました。
まとめ
良かれと思ってしてくれた優しさが伝わるからこそ「無理です」と言いにくい気持ち、よくわかります。今回のように優しさに応えるのもステキですが、本当に無理なときは、丁寧にお礼を伝えた上で勇気を出して断るのも、処世術の一つなのかもしれません。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:橘るい


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