『日本語は難しい』とよく言われます。特に敬語は使い慣れない人にとって難しく感じることが多いかもしれません。ただビジネスパーソンとしては最低限の敬語を使えるようにしたいものです。これは筆者の友人・Nから聞いた研修を担当した新入社員のエピソードです。

有名大学卒業の新入社員・M

私の友人Nは生命保険会社に勤務しています。そこで新人研修を担当し、毎年配属されてくる新入社員にビジネスマナーや保険営業に関するノウハウを教えなければいけません。

ある年、有名大学を卒業したMという新入社員を担当することになりました。Mは明るく元気の良い新人でしたが、研修中にとんでもない事実が判明したのです。

日本語の疎さMAX

Mは有名大学を卒業し、総合職として採用されているのですが、日本語に驚くほど疎いことがわかりました。漢字の読み書きはもちろん、「〜してもらってもいいですか」「私には役不足」など、変な日本語を平気で使うのです。

特にMが乱用するのが「なるほどですね」という言葉でした。

本人は相槌を打っているつもりなのかもしれませんが、『なるほど』は敬語ではないし、語尾に『ですね』を付けたからといって敬語としては成立しません。

私は「年上の方は気になる方も多いようだから直そうね」と、何度も「おっしゃる通りです」「同感です」という言葉に言い換えるよう指導しました。しかし全く直らないまま、研修期間は終了。配属先の上司にも申し送りはしましたが、何かトラブルに発展しなければ良いと思っていました。

逆鱗にふれたM

Mが現場に出てからしばらくたったある日、礼節・マナーに厳しい取引先の社長から、Mの上司にクレームの電話が入りました。

「あんなに人をバカにした態度の営業員は初めてだ! 今すぐ担当を代えろ! 不愉快だ!」と逆鱗にふれてしまったのです。

上司とMは一緒にお詫びに行ったそうですが、取引先の社長は一歩も譲らず。
「人が話をしているのに、わかったような顔をして「なるほどですね」なんて、こんなに人をバカにした態度があるか!」と担当者変更を余儀なくされてしまったのです。

なるほどですね

帰社後、上司にも怒られたMは自分の何が悪いのかよくわかっていなかったらしく、きょとんとした顔をしていたと聞きました。

研修担当としては、非常に歯がゆい思いをしましたが、今回のことでMが少しでも成長してくれると良いなぁと思っています。

ビジネスパーソンとして正しい敬語、正しい日本語を使う重要性を感じたエピソードでした。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K