「住宅ローンの金利が上がりそう」「インフレで住宅価格が上昇しそう」などと考えて、なかなか家の購入に踏み切れないという人もいるのではないでしょうか。

家を買うタイミングはいつが「正解」なのでしょうか?この「正解」の考え方についてファイナンシャル・プランナーの金子賢司さんに話を聞きました。

■家を買うタイミングはいつがいい?

住宅金融支援機構が毎年行なっている「住宅ローン利用予定者調査」の2022年度版によると、住宅取得動機として多いのは「結婚・出産」「子どもや家族のため」「老後の安心のため」といったライフステージの変化によるもので、毎年ほぼ同じ傾向です。

同調査から、実際購入に踏み切った人の中で、「住宅購入費用の安さ」あるいは「住宅ローンの金利の低さ」が購入動機になっている人は少ないことがわかります。

つまり、家の買い時は、ライフステージの変化にともなって家族構成に変化が生じたときがベストタイミングと感じている人が多いと言えるでしょう。

■必要な時期に、いかに安心して購入するかがポイント

年齢や収入にもよりますが、住宅購入の必要性を感じたら、なるべく購入した方が有利です。

高齢になると収入の大半が公的年金になるのが一般的であり、住宅ローン返済の不安がより高まるからです。また、健康上の問題で団信に加入できず、住宅ローンを組めない可能性もあります。

しかし、決して安い買い物ではないため、すぐに購入に踏み切るのは難しいと感じる人もいるでしょう。そこでおすすめしたいのは、家を購入する意欲が高まったら、住宅購入を踏まえたライフプラン作りになるべく早く取りかかることです。

■老後の貯蓄も考えよう

住宅ローンの返済計画は、これまで家賃として支払っていた住居費が住宅ローンの返済額とほぼ同じになれば大丈夫というわけではありません。今の家賃でずっと過ごした結果、「老後に十分な貯蓄が残るか?」というところまでシミュレーションする必要があります。

老後に十分な貯蓄が残らない家計にある人が、家賃と同等の住宅ローンを組んでも結果が変わるわけではありません。家を買えば、固定資産税や修繕費などもかかるため、状況はもっと悪化する可能性さえあるでしょう。

■ライフプランを作ることから始める

家を安心して購入するために必要なのが「ライフプラン」です。ライフプランは、大まかに次のような手順で決めていきます。

まず、理想の老後を送るために必要な貯蓄額をイメージします。つまり、人生におけるゴールを明確にするということです。

次に、住宅ローンの返済以外に必要な生活費や教育費も踏まえ、自分がイメージしている老後生活を送るために、十分なお金が残るかをシミュレーションしましょう。

仮に老後に十分な貯蓄が残らないのであれば、以下のようなことを考えながらライフプランを何度も作り直しましょう。

収入を増やす
住宅ローンの頭金を増やす
物件価格を落として再度検討する

もっとも納得のいくライフプランを見つけたら、家の購入に踏み切ります。

ライフプランを作成して家の購入を検討した方が、「将来、金利が下がるかも知れない」「住宅価格がいつか下がるかも知れない」などと期待して待ち続けるよりも、効率的と言えるでしょう。

■老後を幸せに過ごすために

ライフプランを作った結果、理想の住まいをあきらめることになるかもしれません。しかし、大切なことは、ざっくりとした資金計画で家を購入してしまい、収入を得るための選択肢が限られる老後に、しわ寄せがいかないようにすることではないでしょうか?

もし自分でライフプランを作ることが難しければ、専門家の手を借りることも検討しましょう。

参照:独立行政法人 住宅金融支援機構 国際・調査部【住宅ローン利用予定者調査(2022年4月調査)】

文・金子賢司(ファイナンシャル・プランナー)
東証一部上場企業に入社後、保険業界に転身し、ファイナンシャル・プランナーとして活動を開始。個人・法人のお金に関する相談を受けながら、北海道のテレビ番組のコメンテーターなどとしても活動している。