会社員として働いているときは、収入をすべて使い切ってもすぐに生活は破綻しません。翌月まで待てば、また新たな収入を得られるためです。

しかし、老後は主な収入が年金に切り替わり、多くの場合収支が悪化します。年金で生活費を賄えない場合、自身の資産を切り崩さなければなりません。資産が少ないとすぐに枯渇してしまい、生活が破綻してしまう可能性があります。では、どんな人が老後破産しやすいのでしょうか。

■老後破産につながるNG行為3選

●貯蓄していない

老後破産を防ぐには、十分な貯蓄が必要です。しかし貯蓄しない限り、当然ですが資産は増えません。銀行預金や保険などを活用し、普段から少しずつでも貯蓄しておくようにしておきましょう。

【老後の生活費を貯める主な手段】
・銀行預金
・個人年金保険
・iDeCo(個人型確定拠出年金)
・つみたてNISA

●老後に必要な資金を試算していない

老後のために用意すべき資金は、受給される年金額、持ち家か賃貸か、都会か田舎かなどそれぞれのシチュエーションにより異なります。ただし、マイホームの返済や子どもの教育費などもあり、老後資金を後回しにしている人が多い印象です。

自分が老後に必要になる資金を試算して、自分がいくら貯めないといけないのかをまず意識していきましょう。自分が受給できる予定の年金については、日本年金機構のねんきんネットで確認できます。

●教育費にお金をかけすぎている

子どもの将来のために、「教育にはお金を惜しまない」と考えている親は多いかもしれません。しかし、教育費にお金をかけすぎると、自分たちの老後資金を準備できなくなります。老後破産を回避したいなら、教育費にも上限を設けることが大切です。

教育費にたくさんお金をかけても、将来子どもが幸せに過ごせるとは限りません。また、老後資金を貯められなければ、子どもに金銭的な負担をかけることになる恐れもあります。

「なるべく公立に進学してもらう」「塾や習い事は必要なものに絞る」など、子どもと話し合ったうえで、教育費を節約することを検討しましょう。

■老後対策!年金生活に節約すべき3つの支出

「仕事を退職して年金収入だけの生活に突入したら、お金のことが心配……。」という方も多いかもしれません。理想の老後のために、今から家計の見直しをしてみてはいかがでしょうか。老後を迎えるこのタイミングだからこそ節約しやすい支出を3つご紹介します。

●住居費

まず1つめは「住居費」です。住居費は住んでいるあいだずっとかかり続けるものですし、多くの世帯で支出額が最も大きい費目になっているので、節約できれば効果が大きいです。

・仕事を引退したら……家は職場や駅に近くなくてもいいかも
・子どもが独立したら……今ほど広い家でなくてもいいかも

コンパクトな家への引っ越し、それにともなう持ち家の売却や賃貸に出すことも選択肢の1つです。

●保険料

2つめは「保険料」です。特に、過去に加入した死亡保険や医療保険をあらためてチェックしてみましょう。

・死亡保険……子ども独立後は「遺族の今後に必要なお金」も少なくて済むため保険金額も減らしてOK
・医療保険……年齢と所得によっては健康保険で医療費が1〜2割負担で済んだり、1ヵ月に負担する医療費の上限額が現役世代より低く抑えたりできるようになる

老後は一般的に死亡や病気のリスクが上がる一方、生活資金が少なくて済む、社会保障で負担が軽減できる、退職金など貯金で全額まかなえる可能性があります。

●光熱費

3つめは、電気やガスなど「光熱費」です。電気やガスの料金は、実際に使った量だけでなく、以下のような条件によっても変わります。

・よく使う時間帯
・同時に使用できる量(電気の場合は「契約アンペア」をチェック)
・一緒に契約するサービス

生活スタイルが変わったら、契約プランの見直しどきです。サービスを提供している会社を乗り換える、電気とガスを同じ会社で契約する、などの工夫でさらに安くなる可能性もありますよ。

■適切な対策で老後破産を回避しよう

現役時代に高収入だった人でも、一歩間違えば老後破産してしまうこともあります。理想の老後生活を送るために、自らを振り返りNG行為を改め、家計改善に取り組んでいきましょう。

文・fuelle編集部