1942年に誕生した大映は71年に倒産したが、わずか30年の間に多数の伝説的な俳優や作品を生み出している。創立75年を迎え、9日から『大映女優祭〜その女たちは凛として、逞しい』が東京都新宿区の角川シネマ新宿で開催される。来年1月12日まで。京マチ子、山本富士子、関根恵子らの48作品が一挙に蔵出しされるが、中でも注目の3作品をピックアップする。

 オナペット女優として一世を風靡した渥美マリの記念すべき主演第1作「いそぎんちゃく」(69年、弓削太郎監督)。当時としては大胆なセックス描写が物議を醸した。

 貧乏が嫌で田舎から都会に出てきた浜子(渥美)が体一つで世間を渡る物語だが、とにかく脱ぎっぷりがよかった。ただ彼女の両親も役者なので、本人は裸で売る気はなかったのかもしれないが魔性の女と噂されるようになったのは皮肉だ。

 翌年公開の第3作「でんきくらげ」(70年、増村保造監督)は“軟体動物シリーズ”最大のヒット作。渥美は、ここでも強烈な体当たり演技と、目に焼き付くほどのキャラクターで人気を不動のものにした。川津祐介とのラブシーンは必見。

 もう1本は京マチ子主演の「偽れる盛装」(51年、吉村公三郎監督)だ。当時のキネマ旬報ベスト3位になった名作でもある。

 祇園でも一、二を争う売れっ子芸者の君蝶(京)は肉体を武器に美術商や老舗の旦那を丸め込んでいた。あるとき、妹の破談を怒った君蝶は相手の旦那から金を絞り取ろうと考える。

 白蛇の肌を武器に男たちを篭絡してゆく京の妖しい美しさはただ胸を高鳴らせるだけだ。つくづく男という動物は鼻の下をのばすものだと思う。

 大映を代表する女たちをぜひ再発見してみては。詳細な上映スケジュールは同劇場のホームページで。 (望月苑巳)