年明け早々の感染拡大で、寝正月を引きずりながら、切り替えの難しいリモートワークに突入。睡眠リズムが乱れて体調不良を抱えやすい人が増えている。

 「睡眠は、単に身体を休める“休息”ではありません。脳を休ませて記憶を整理し、成長ホルモンなどの分泌や体内時計を整えることで健康を維持しています。不眠状態を放置すると、うつや生活習慣病の悪化で、命に危険が及ぶこともあるため、注意が必要です」

 こう話すのは、杏林大学名誉教授の古賀良彦医師。長年、精神科医として睡眠障害などの診断・治療・研究に取り組んでいる。

 「コロナ禍でノーマルな生活が崩れ、睡眠障害につながっている人がいます。それを自覚し、ニューノーマルな生活に正すよう、今年は意識していただきたい」

 古賀医師によれば、コロナ禍で睡眠障害を引き起こす主な原因は(1)生活リズムの乱れ(2)環境の変化に伴うストレス(3)コミュニケーション不足による不安−の影響が大きい。

 生活リズムの乱れの解消は、朝一定時間に起きて朝日を浴び、1日3回の食事をして、リモートワークでも3密を避けながらウオーキングをするなど、日中活動的に過ごすことがポイントになる。

 環境に伴うストレスは、ちょっと楽しめることを見つけ、仕事などの合間に短時間取り組むのがコツ。ゲームの勝負事などは、ストレスがたまりやすいので避ける。

 「ストレス発散には、ささやかなクリエイティブな楽しみが向いています。たとえば、ヨーグルトにジャムを入れて混ぜる、納豆にネギや卵を加えて混ぜる。混ぜる行為は単純ですが、香り、色、味も変わり、1+1が3にも4にもなり、ストレス発散の一助として役立ちます」

 ヨーグルトにブルーベリーやストロベリーなどのジャムを加え、スプーンでゆっくり混ぜると、マーブルのような文様から赤紫の色へ徐々に変わってゆく。それに意識を一瞬集中することで、ストレス発散になるそうだ。リモートワークでランチを作るときにも、ご飯の上に納豆、ネギ、卵などを載せ、醤油をかけてゆっくりと混ぜてみよう。

 「ご飯の上には、冷蔵庫の残り物を刻んで載せてもよいでしょう。刻むという行為も、食材を切ることに意識が集中するため、ストレス発散の一助になります」

 オンライン会議で感じるストレスや、自宅にいることで感じる家族からのストレスも、「混ぜる」「刻む」でちょっと発散。趣味といえなくても、短時間に集中して取り組めることを見つけよう。

 「30分で作れる『ガンダム』のプラモデルもお勧めです。接着剤も必要なく取り組めます。生活リズムを整えて、ちょっとストレス発散をして、夜ぐっすり眠りましょう」

 次回は「不安解消法」を紹介する。

 ■最近の睡眠障害に関わる主な原因

 【生活リズムの乱れ】たとえば、リモートワークや離職などで通勤時間がなくなり、起床時間や日中の過ごし方が変わった。1日3回の食事回数も増減し、おやつを食べながら仕事といったことも

 【環境の変化に伴うストレス】自宅で過ごす時間が長くなり、仕事をする場所の確保や、妻や子供と向き合う時間が長くなったことで、互いにストレスを抱える

 【コミュニケーション不足による不安】リモートワークでは、上司や先輩の顔色をうかがうことが難しいことがあり、自分に対する評価などに不安を感じる