民間シンクタンク「ブランド総合研究所」が発表した今年の都道府県魅力度ランキングをめぐり、首都圏の千葉県と埼玉県で明暗が分かれた。千葉が昨年の21位から12位へ上昇したのに対し、埼玉は38位から45位へ下降した。背景にはコロナ禍の影響もあるようだが、両県の担当者はどう受け止めているのか。

 千葉の魅力度が上昇した理由について、ブランド総合研究所の田中章雄社長は「若者からの支持が高く、県に魅力を感じるという20〜30代の回答数は、50〜60代の数倍に及んでいた」と明かす。

 温泉・レジャー施設の魅力を問う項目では千葉が全国1位だった。「東京ディズニーリゾートの存在が大きいとみられる。コロナ禍で入園を制限された分、より憧れを持つ人が増えたと分析できる」と解説する。

 千葉県報道広報課の担当者は「コロナ禍で遠出が制限され、情報番組などでも東京都からアクセスの良い首都圏を取り上げる機会が増えた印象だ」と語る。「東京五輪でサーフィン競技の会場となった一宮町のほか、都心に出やすく自然もある市原市や印西市などへ移住を希望する人が増えた印象だ」という。

 県はコロナ禍での情報発信にも注力したという。「房総半島では海の幸を使った旅館のお取り寄せ商品の情報を発信したり、鴨川市の『エディブルフラワー(食べられる花)』も人気だ」と前出の担当者。

 首都圏では東京都が4位、神奈川県が6位となるなか、埼玉の順位がどうしても目立つが、前出の田中氏は「観光意欲や居住意欲など、全体的に前年よりポイントは上がっている」と指摘する。

 順位を下げた理由について田中氏は「埼玉の強みである野球やサッカーなどのスポーツ分野がコロナ禍で例年通り運営できなかったことだろう。一方、川越市などレジャー分野の魅力は関西地方で知名度が低い。スポーツ分野の回復とレジャー分野の情報発信次第で伸びしろは十分にある」とみる。

 埼玉県県民広聴課の担当者は「地域ブランド調査以外にもさまざまなランキングがあり、広く参考にしたい」と受け止める。

 住みたい街を尋ねるランキングでは人気の都市も多く、「コロナ禍では移住先として県をアピールする情報発信にも力を入れている」という。

 映画『翔んで埼玉』でもライバル関係が取り上げられた両県だが、来年は埼玉がリベンジを果たすかもしれない。