■卓球「荻村杯ジャパン・オープン」最終日・男子シングルス (18日、東京体育館)

 「張本に負けて、気持ち的にすごく落ち込みました。ずっと世界選手権に向けて練習してきて、不完全燃焼で終わってしまい、すごくモヤモヤがあった。今大会でうっぷんを張らせたらいいな、という意気込みでやってきました」

 こう本音を吐露したのは、リオ五輪男子シングルス銅メダリストの水谷隼(28)。

 この日の準決勝では、中国の樊振東=はん・しんとう=(20)に1−4(7−11、6−11、10−12、11−9、8−11)で敗れ、5年ぶりの優勝を逃した。

 世界ランク2位の実力者を相手に同6位の水谷は3ゲームを落とし、第4ゲームもいきなり0−5。ここから逆転でもぎ取ったが、第5ゲームは8−8からミスが出た。

 それでも「4、5ゲームはほとんど互角だった。開き直ってリラックスしたのがいいプレーにつながった。ああいうプレーを最初から最後まで続ければチャンスがある」と納得の表情。

 「ここを直せば強くなれると、久しぶりに自分の弱点、修正ポイントがたくさん見つかった。そこを重点的に強化すれば、まだまだ伸びる」と手応えを得た。

 今月1日、世界選手権(ドイツ)2回戦で13歳の張本智和に1−4でまさかの完敗を喫し、日本人初のシングルス五輪メダリストの面目は丸つぶれ。その後もショックは尾を引いた。

 「自信はまだないし、復調には時間がかかる。キッカケにはなったかな」とようやく光明を見いだしたところだ。

 今大会は国際卓球連盟の「ワールドツアー」12大会中、格付けの高いプラチナ6大会の1つ。東京体育館は2020年東京五輪の会場でもある。「昔に比べたら、中国選手との距離は確実に縮まっている。もっと技術を磨けばチャンスはある」とキッパリ。中国選手を破って悲願の金メダル獲得へ…“張本ショック”を引きずっているヒマはない。 (塚沢健太郎)