韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が横暴な人事を繰り返している。居住地を偽った偽装転入や脱税など数々のスキャンダルが指摘された「醜聞の女王」こと康京和(カン・ギョンファ)前国連事務総長特別顧問の外相任命を18日に強行したのだ。ほかの閣僚候補らも過去の不正行為が発覚した。前政権のスキャンダルを機に誕生した文政権だが、「汚れた内閣」で大丈夫なのか。

 康氏は個人の疑惑に加え、北朝鮮情勢などへの認識不足も問題視されていた。7日の聴聞会では、「米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)なしに北の攻撃にどう備えるのか」と問われ、押し黙る場面もあった。

 国会でキャスチングボートを握る野党「国民の党」は「道徳的問題に目をつむることができるほどの能力を見いだせなかった」と酷評。国会の人事聴聞会の報告書は野党3党の反対で採択されていなかった。

 文氏は18日、今月末の米韓首脳会談や来月の20カ国・地域(G20)首脳会議に言及し、「外相を空席にしておけない」と強調し、大統領権限で任命を押し切った。だが、少数与党の文政権にとって国会運営への影響は避けられそうにない。

 スキャンダルは康氏だけではない。韓国紙、東亜日報(日本語版)は17日の社説で、文氏がこれまで17の省庁のうち15人の長官を発表をしたが、康氏を含む4人について「偽装転入、論文盗作、飲酒運転、私印偽造など見過ごせない欠陥を露わにした」と指摘した。

 文政権は前途多難といえそうだ。