認知症になってからも、すべての人が施設に入居するわけではない。自宅でひとり暮らしを続けている人は、どんな状態で、どう生活をしているのか──。当事者とサポートをする人たちの声を聞いた。88歳の河合さんは、定期巡回型のサービスとデイサービスをうまく利用しているそうだ。(取材・文=樋田敦子)

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〈1よりつづく〉

1日3回の安否確認を受けながら

「ここに住みたい」という本人の希望、家族の事情、金銭的な問題。さまざまな理由から、自宅でのひとり暮らしを選ぶ高齢者は増えている。

神奈川県内で1Kの賃貸アパートに住む河合頼子さん(88歳、仮名)も、そのひとり。杖を使って自分で歩けるし、洗濯も自ら行っているが、認知症の症状が見られる。

隣町に住む50代の長男は、月に1度の通院に付き添い、ヘルパーがいないときに、週に何回かは家を訪ねているが、仕事や家庭の事情で、同居して介護するのは難しい。

そこで利用しているのが、前出の美恵子さんと同じ、定期巡回型のサービスだ。頼子さんは週4日デイサービスに行き、それ以外の日には、朝昼夕と、1日に3回ヘルパーに安否確認に来てもらう。ヘルパーは食事の準備のほか、血圧などの薬の服用を助け、体温調節がしづらい頼子さんのために快適な室温に調節している。

8ヵ月前から頼子さんの家を訪問している「リフシア浜之郷」管理者の熊本航さんは、こう話す。