加齢とともに、貧血の原因は多様化

貧血の一番の引き金となるのは月経の出血や妊娠、授乳ですが、「閉経後の女性にはまた別のリスクがある」と、山本先生は言います。

「赤血球をつくる骨髄や、赤血球形成に必要なホルモンを分泌する腎臓の機能が加齢に伴って衰えるので、そもそもヘモグロビンの量が減少傾向にあります。加えて、メタボリックシンドローム改善のために自己流の食事制限をしている人や、菜食主義で肉や魚を食べない人は、鉄そのものの不足だけでなく、鉄の吸収を助けるビタミンなども不足しやすいので注意が必要です」

腰痛や関節痛を抑える消炎鎮痛剤を服用していると、胃腸障害を起こし、ヘモグロビン合成に必要なビタミンB12、葉酸などを十分吸収できないこともあるそう。

「病気で胃を切除している場合は、栄養分の消化・吸収能力が低下します。消化器系の潰瘍やがん、痔など出血を伴う病気も、貧血を引き起こす原因となるので注意しましょう」

重度の貧血を放置すると、強い動悸や息切れが起きやすく、心臓に負担をかけることに。狭心症や心臓弁膜症などの心疾患がある場合、心臓のポンプ機能が徐々に低下する慢性心不全にがりかねません。年に一度は健康診断で血液検査を受けることをおすすめします。

「鉄は体内でつくることができない成分ですから、鉄分豊富な赤身肉や赤身魚などをコンスタントに摂りたいものです。推奨摂取量は、月経のある女性で1日10.5mg、月経のない50〜69歳の女性は6.5mg、70歳以上は6mgとされます」

次ページから、効率良く鉄を摂取する方法をみていきましょう。
 

閉経後に気をつけたい貧血リスク

●ダイエットで食事制限をしている
●ベジタリアンだ
●腰痛や関節痛で消炎鎮痛剤を常用している
●痔に悩んでいる
●胃潰瘍または十二指腸潰瘍がある
●腎臓疾患を抱えている
●病気で胃の一部を切除している

1つでも当てはまれば、貧血になる可能性が高くなります。鉄を積極的に摂取する食事をこころがけましょう