《体によい》と謳われる食材も、それ単体では力を発揮しません。さまざまな栄養素を組み合わせることで、おいしく、効率よく健康に近づけるメニューを紹介します(構成=内山靖子 イラスト=村越昭彦)

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偏った食事では栄養がエネルギーにならない

管理栄養士の視点からお話しすると、免疫力を高めるために大切なのは、なにより腸内環境を整えることです。なぜなら私たちは、食べものからさまざまな栄養素を摂取して、消化・吸収することで体を作り、活動するエネルギーを得ているから。

なかでも腸は、胃で消化された食べものの栄養素や水分を吸収する大切な場所。その環境が悪ければ、栄養のあるものを食べてもきちんと吸収されません。疲れやすい、貧血気味など、体調に影響が出てしまいます。

では、どうすれば健康な腸をキープでき、ひいては免疫力を高めることができるのか。ありきたりな言い方になりますが、必要な栄養素をまんべんなく摂取できるよう、たくさんの食材を取り入れたバランスのよい食事を、適切な量食べればよいのです。

人間を動かすエネルギー源は、脂質、糖質、タンパク質の三大栄養素。この3つを合わせて、少なくとも基礎代謝量分のエネルギー(カロリー)を摂らないと、体がエンストしてしまいます。ただ、三大栄養素を吸収しても、体の中の37兆2000億もの細胞を動かすエネルギーに変えるためには、ビタミンとミネラルが欠かせません。

ラーメンにチャーハン(糖質&糖質)、揚げ物にタルタルソース(脂質&脂質)などの栄養バランスが偏った食事では、摂取したカロリーを効率よく体内でエネルギーに変えることができないのです。飽食の時代といわれる現代に《新型栄養失調》の人が増えているのも、ビタミンやミネラル不足の食事をしていることが原因。いくらたくさん食べても、体は元気に動いてくれないでしょう。

また、忙しいときなどに、「納豆は健康によいから」と、納豆ごはんだけで食事を済ませてしまう人も要注意。確かに納豆は非常に栄養価の高い食品です。けれど、それだけでは納豆の栄養素しか摂れません。

栄養素は、別の栄養素と組み合わせることで体内により吸収され、その効果を発揮して働くもの。乳酸菌を含む納豆であれば、食物繊維を含む食材と一緒に摂ると、腸内環境を整えるのに欠かせない善玉菌の働きをより活性化させてくれるのです。このような栄養素の仕組みを知らずに食事をしている方は、意外と多いのではないでしょうか。