ジェーン・スーさんが『婦人公論』に連載中のエッセイを配信。2020年9月、菅内閣が発足しましたが、その陣容はといえば60歳以降が過半数をしめ、女性は2人だけ。全閣僚が納まった記念写真を見たスーさんの感想は? (文=ジェーン・スー イラスト=川原瑞丸)

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トコロテン方式に乗れるのは

新内閣の写真を見て、「昭和95年だなぁ」とため息がこぼれた。最高齢は79歳。60歳以上が過半数を占め、おじさんというよりおじいさんばかりの燕尾服軍団だ。若手と言えるのは小泉進次郎だけで、女性は2人のみ。

昭和を思い出したついでに平成元年の宇野内閣を画像検索してみると、これまた昭和の趣だった。

その前の竹下改造内閣も言わずもがな。女性はひとりもいない。こうなったら全部見てやろうと首相官邸ウェブサイトで歴代内閣のページをクリックすると、インターネット黎明期を思い起こさせるほど古めかしい文字だらけのページが出てきた。予算が少ない市町村のサイトのほうがまだマシだろう。

写真が掲載され始めたのは昭和20年8月発足の第43代東久邇(ひがしくに)内閣からで、当然だが全員男。日本軍があった時代なので、陸軍大臣と兼務の首相と海軍大臣の2人は軍服らしきものを着ている。

敗戦後、昭和20年10月発足の第44代幣原(しではら)内閣では、のちの総理大臣、吉田茂が外務大臣を務めていた。国会議事堂を背に屋外で撮影された白黒写真は、75年後に発足した菅内閣から女2人と若手1人を画像修正アプリで消しただけのような印象。ああ、この国はずっとこうだったんだよな、女も若手もお飾りでしかないのだなと、私は改めて肩を落とす。