幼少期も、悩める青春時代も、そこにはいつも映画あり、江戸前の笑いあり、それが今回のゲスト、高田文夫さんと中野翠さん。大好きなセンパイ方の間で飛び交う懐かしい名前の数々に、清水ミチコさんはフルスピードで応じてますが……。皆さんも、ぼんやりしていると置いてけぼりになりますよ!(撮影=大河内禎 構成=本誌編集部)

* * * * * * *

<前編よりつづく>

大学は激しくとも、家へ帰れば平穏な日常

清水 ふたりには、いまの学生たちが物足りなく見える?

中野 どうだろう。あのころの私は精一杯虚勢を張って理論武装もしてたけど、振り返ると、当時の空気はやっぱり好もしいものではなかった。ボーッとしてたら、いつのまにか言い負かされちゃうもん。キャンパスで「ちょっと話さない?」とか言われてさ、オルグっていうのがくるわけよ。

高田 セクト、つまり派閥に入れようと口説くんだな。

中野 校舎の横のベンチで、すごい勢いで話を展開されたりして。

清水 それはしんどいね。よほど強い意思がなければ、ふらふらっとついていっちゃうかもしれない。

中野 知人には何人か、過激派のメンバーになってもおかしくない人がいた。だから、連合赤軍の事件は大ショックだったね。

清水 正義の心があるから、よけいに燃えたんだろうし。

中野 かといって、青春時代を謳歌しよう、という気分にもなれなかった。ただ、私も高田さんも自宅通学でしょう。大学で激しいものを目の当たりにしても、家へ帰れば、そこは平穏な日常なのよ。

高田 世間や大人なんて冷めたもんでさ。「馬鹿なことやってないで1本つけな」なんて親に言われて、つい熱燗飲んじゃったりして。

清水 温度差がすごかったんだね(笑)。テレビには映らない。