年々暑さが増しているうえに、この夏もマスクが手放せないとあって、熱中症のリスクはますます高まりそうです。冷房の使い方、水分補給など、「こんなとき、どうすればいいの?」「どっちが正しいの?」といったよくある疑問について、伊藤重範医師に聞きました(イラスト/小林マキ 取材・文・構成/岩田正恵《インパクト》)

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間違った対策をしていませんか?
熱中症の疑問を専門家に聞きました

Q1)クーラーの効いた屋内で過ごせば、
熱中症にならない?

A1)屋外の強い日差しだけが危険とは限りません

「65歳以上の熱中症患者のうち約4割が屋内で発症しているという報告があります。特に注意したいのがキッチン。冷房が効きにくいうえに、火や湯を使うため、温度も湿度も上がりやすく危険です。火や湯を使うときは温湿度計を自分の体の高さと同じ位置に置き、温度は28℃以下、湿度は60%以下を保つよう、こまめにチェックしてください。

また、換気扇や扇風機を回してキッチン内の空気を循環させ、調理の際は、できるだけ火を使わずに済むよう電子レンジなどを活用しましょう。炊飯器などは長時間保温のままにしないこと。加えて、こまめに水分を摂ることも大切です」(伊藤先生。以下同)

Q2)体が冷えないよう、睡眠中の冷房はタイマーで切ってよい?

A2)夜間も、室温が上がると危険

「日中、日差しで温められた壁や天井は、夜になってもなかなか温度が下がりません。特にコンクリートは温まりにくく冷めにくい性質があるため、外気温のピークから数時間遅れて最高温度に達し、夜間にゆっくりと熱を放出。そのため、冷房のスイッチを途中で切ると、就寝中に室温が上昇してしまうことがあります。寝ているとそれに気づきにくく、水分補給ができず脱水状態に陥りやすいうえ、発症したことに気づくのが遅れて重症化する危険性が。

就寝時は外気に近い壁から離れ、気温が25℃を下回らない夜は弱めでも冷房をつけたまま寝てください。夜間の室温上昇を抑えるには、日中、すだれで日光をさえぎったりするとよいでしょう」