64歳で社交ダンスと出合い、毎年、発表会で華麗な踊りを披露している加藤タキさん。40歳から趣味になった登山に加え、還暦を前に習い始めたダンスが介護うつを解消するきっかけになったという市毛良枝さん。お二人が夢中になっているダンスの魅力について語り合いました。後編はダンスを通じて広がった人間関係について――(構成=福永妙子 撮影=岡本隆史)

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休んでも間があいてもいい

市毛 私は筋トレ目的で始めたので、人に見せたり、発表会に出たりする気がなかったんです。6年がかりで「スタンダードのワルツをひと通り踊れますよ」というところまで習得した時、「やめてもいいかな」と思ったことがありました。

加藤 達成したと思ったのね。

市毛 そんな時、お友だちのデモ(発表会)を見に行ったら、きれいな衣装を着てステージで踊っている姿がレッスンの時とはぜんぜん違っていて、見とれました。どうせやめるなら、先生へのお礼のつもりで記念に1回だけデモに出てもいいかなと思い、そう伝えたら、先生も張りきられて。

加藤 そりゃそうですよ、先生はその方のためだけに選曲をし、振り付けをするわけですから。

市毛 「もうワルツは踊れる」と言われていたけれど、新しい振り付けの習得が必要となって。それでも1週間くらいで、デモ用のダンスをマスターできたんです。

加藤 基礎ができてたのね。

市毛 そうしたら、また楽しくなって、やめられなくなりました。

加藤 練習を重ねて発表会に出たつもりなのに、自分の演技に「なぜ、あそこはできなかった?」「なるほど、そうだったのか」と気づきがあり、やればやるほどダンスの奥の深さを発見するんです。

市毛 自分の演技の写真や映像を見るとヘコむけれど、次の課題が見えてくるから、「ここをこうしよう」と、さらに肉体改造への意欲がわきます。