たとえると、眠りはスキーの滑走のようなもの。高い所から滑ると、勢いに乗って速く長く滑ることができますが、低い位置からだと勢いがつかず、ちょっとしたコブがあるとすぐに止まってしまいます。前者が深く長く眠れる若者、後者が浅い眠りですぐ目が覚める中高年と言えるでしょう。加えて、夜中に尿意で起きることが増えるのも特徴です。

このように、深く眠れる時間は減っていくのに、「眠れないから早く床に入る」「健康のために寝たほうがいい」と、布団の中にいる時間は長くなる。実はこれが睡眠の質を悪化させる元凶です。仮に6時間しか眠る力のない人が、無理に8時間寝ようと布団の中にいても、「眠れない」と2時間を悶々と過ごすことになるだけ。先ほどのスキーの滑走でいうと、低い所から滑り始め、ゲレンデの真ん中で止まってしまい焦っている状態です。

死亡率が一番低い層の睡眠時間は7時間

できる限り深く眠って、成長ホルモンの分泌を増やす。そのためには、次のような睡眠習慣に気をつけましょう。

まず睡眠の長さ。布団の中にいるのは7時間を目安とし、それ以上はダラダラ寝ないように心がけてください。40歳から79歳の男女を対象に、睡眠時間の長さと10年後の死亡率を調べた研究によると、死亡率が一番低い層の睡眠時間は7時間で、睡眠時間が長くなるにつれて死亡率が高くなることがわかっています。

次に眠る時間帯。日本ではとかく早寝早起きが推奨されますが、睡眠の質を高める眠りを誘うホルモン「メラトニン」と、目覚めのホルモン「コルチゾール」をうまく活用できる時間帯があるのです。

具体的には、メラトニンが多く分泌されるのは0時から6時。この間が、もっとも眠りやすい時間帯です。一方、コルチゾールは夜中の3時頃から大量に出始め、朝5時半から8時半にピークとなります。もっとも起きやすいのがこの時間帯。2つのホルモンの分泌を考えると、夜11時半頃から朝6時半頃まで眠るのが最適といえるでしょう。

とはいえ、「11時半から7時間、熟睡しましょう」と言われても、それが難しいから、みなさん苦労されるわけです。ここは発想の転換を。