2021年9月12日、東京・両国国技館で開幕した大相撲九月場所は、白鵬、照ノ富士両横綱の対決が期待されましたが、宮城野部屋から新型コロナウイルスの感染者が出たため全員休場。新横綱の照ノ富士は無事白星でスタートを切りました。『婦人公論』愛読者で相撲をこよなく愛する「しろぼしマーサ」が今場所もテレビ観戦記を綴ります

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照ノ富士の独走を確信するも、2敗

大相撲9月場所は、千秋楽を前に新横綱・照ノ富士は2敗、それを34歳、ベテランの前頭十枚目・妙義龍が3敗で追っている。照ノ富士の優勝への独走を確信していたファンは、まさかの2敗ショックから立ちあがり、「優勝してくれ」の念力を土俵に送っていると思う。

14日目、照ノ富士は、いつも以上に顔も真っ赤、体も真っ赤の気合いで、カド番を脱した大関・貴景勝を上手投げの連続で投げ切った。土俵に転がった貴景勝の体で押され、立行司の式守伊之助が土俵から落ちてしまった。すぐに軍配を手に土俵に上がり、何事もなかったかのように勝ち名乗りを上げたのは、さすが立行司だと思った。これぞ「不動心」。

照ノ富士と貴景勝は、これまで勝ったり負けたりで、優勝決定戦もして熱戦を見せていたが、今場所の貴景勝はここまできたのが精一杯の感じである。

照ノ富士の2敗は悔やまれる。9日目に横綱に土をつけた前頭四枚目・大栄翔は、今年の初場所優勝でみせた押しの突進力を披露。12日目に対戦した関脇・明生は照ノ富士に勝ったことがないことが、かえって不気味だった。明生のぶつかり強く、下手投げ早く。

しかし、相手に相撲を取らせて勝負をする「横綱相撲」の照ノ富士が2敗したことで、人間味を感じてしまい、さらに優勝してほしいと願うようになった。

今場所後半は、平幕力士の活躍で混戦となり、13日目に照ノ富士2敗で、前頭六枚目・阿武咲、妙義龍、前頭十一枚目・遠藤が3敗となるまで、照ノ富士を追う力士とその勝敗の予想に頭を使い、頭痛までしてきたが、確実に脳の老化を防ぐのに役立った。