2021年9月26日、東京・両国国技館で閉幕した大相撲九月場所。新横綱・照ノ富士が気迫で優勝を勝ち取りました。新横綱での優勝は、明治44年夏場所以来で9人目とのこと。一方27日には、「あと1勝で横綱として900勝」だった白鵬の引退が報道されました。『婦人公論』愛読者で相撲をこよなく愛する「しろぼしマーサ」が今場所もテレビ観戦記を綴ります

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前回 「優勝は新横綱・照ノ富士か、1敗差の前頭十枚目・妙義龍か。混戦はスッキリするも大関の存在感薄し」はこちら

照ノ富士の5回目優勝で終わる

大相撲9月場所千秋楽は、新横綱・照ノ富士が2場所ぶり5回目の優勝を成し遂げた。

新横綱で優勝した力士は明治44年夏場所以来9人目というのには驚いた。それほど難しいものなのだ。成績は13勝2敗。年間最多勝も決まっている。

千秋楽結びの一番、照ノ富士は今場所たびたび見せた眉間にしわを寄せた金剛力士(仁王)像の顔つきで、昨日よりも顔も体も気合いで真っ赤。対戦相手の大関・正代は不満げな顔つき。今場所大関対決がないので、怒っているのか?と少し思った。

照ノ富士の優勝を願っていたが、寄り切りで勝負がついたとたんに拍手をしないで、正代に「なにやっているの!」と叫んでしまった。正代は腰が高いし、またもやつま先立ちだから、力が出ない。

私の亡くなった母は、子供の頃からの相撲ファンで、高齢で重度の認知症になってからも、正代の文字がテレビに出ると「まさよ、まさよ」と四股名を読み違えながら応援していた。千秋楽の日に彼岸が明けるが、母の遺影に向かい正代のことを何と報告したらいいのだ!

大関・貴景勝も関脇・御嶽海に押し出されて、正代と同じく8勝7敗で終わった。
前頭十枚目・妙義龍が照ノ富士を1敗の差で一人追いかけ、優勝決定戦もありかと思っていたが、関脇を守るため勝ち越さなくてはならない明生に肩透かしであっけなく負けた。優勝はのがしたが、妙義龍は6回目の技能賞を獲得した。殊勲賞は前頭四枚目・大栄翔で9日目に新横綱を初黒星にしたのだから当然である。敢闘賞受賞者はいなくて残念だった。

関脇・御嶽海は9勝6敗と地位を守ったものの、それより上を望むファンの期待は何度も裏切られている。御嶽海は、11日目の勝ち越しのインタビューで、今後の照ノ富士との対戦について聞かれ、「作戦は考えているので、しっかりその通りにいくようにしたい」と答えた。最近の力士はインタビューの答えが「一日一番」、「集中して」ばかりでつまらなかったこともあり、御嶽海は何かやるのではないか、と思った。しかし、13日目に御嶽海は見せ場なく照ノ富士に寄り切られた。NHKテレビで正面解説をしていた北の富士さんは「言ってみただけ」と御嶽海の発言を深く読んでいた。