2022年6月23日、瀬戸康史さんが『徹子の部屋』に出演。17歳で単身上京し、人気俳優となるまでの半生を語ります。そこで今回、もとは獣医を目指していたという瀬戸さんが、なぜ俳優の道に進んだのか、その思いを語った『婦人公論』2020年4月28日号の記事を再配信します。 ****** ドラマや映画での活躍にとどまらず、錚々たる舞台人からも引っ張りだこの瀬戸さん。最新出演ドラマ『私の家政夫ナギサさん』は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で撮影を休止していましたが、7月7日から放送されることが決まりました。多くの視聴者を引き付けるその豊かな表現力の秘密に迫ります(撮影=小林ばく 構成=上田恵子)

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休む時間も大切に

17歳で福岡県から上京し、役者の仕事を始めて、もうすぐ15年が経ちます。子どもの頃は、まさか自分がこういう場所にいることになるとは思いもしなかったですね。デビュー当時なんて、地元にいる親や友だちに電話で「全然大丈夫やけんねー」と強がりを言って、切ったあとに泣く、という毎日を過ごしていましたから。

もとは獣医を目指していたんです。俳優の道に進んだのは、母の希望。母はピアニストを目指しながらも志半ばで諦めざるをえなかったそうで、“表現する”という夢を僕に託しました。自分の夢のことを考えると複雑な思いはあったものの、長男の僕を東京に送り出す親の覚悟を感じ取り、期待に応えようと決意しました。

そしてふと気づけば、自分の夢になっていた。福岡って演劇や音楽といった芸事がさかんな土地なんです。僕も幼い頃に発表会でお芝居をしましたし、福岡を代表する祭「博多祇園山笠」にも参加しました。地域の行事で和太鼓に挑戦したこともありましたね。

子どもの頃から表現する機会が多かったので、その楽しさが心に刻まれていたのかもしれません。今ではこの世界に入ってよかったと思いますし、親にも感謝しています。

今回出演するドラマ『私の家政夫ナギサさん』(7月7日スタート)で、僕は多部未華子さん演じる主人公・相原メイの心をかき乱す仕事上のライバル・田所優太を演じます。メイは、仕事一筋で優秀だけど、少し頑張り過ぎてしまうキャリアウーマン。そんな彼女が大森南朋さん演じる家政夫のナギサさんと出会い、自分らしさを取り戻していくストーリーです。

メイのように、「こうあるべき」という思いにとらわれてがむしゃらに頑張っている人って意外と多いと思うんです。でも、「無理に頑張らなくていい、誰かに頼ってもいいんだよ」というメッセージがこの作品には込められている。

それこそ僕も、以前は仕事一筋でした。でも最近は、仕事のことを考えない時間も大事にしています。休みの日は意識的に陽の光を浴びて、趣味の絵を描くためにカフェに出かけたり、ちょっと車を走らせて外食したり。

お芝居はアウトプットの作業だけど、それでも自分のなかに溜め込んでしまうエネルギーがある。それを少しずつガス抜きすることで、また息を吸い込めるようになると気づいたんです。この作品は、ぜひ肩の力を抜いて楽しんでほしいですね。