2020年より小学校で必修化された英語教育。国際人として活躍する上では、その習得が不可欠と言えそうな英語ですが「自転車と同じで、英語は単なる手段。なので『英語ができる子』になることを目的にしてはいけない」と断言するのが、元グーグル米国本社副社長・前日本法人名誉会長の村上憲郎さんです。世界的IT企業で副社長にまでのぼりつめた村上さんですが、31歳で英語を勉強し始めたとき、とにかく苦労したのがリスニングだったそうで――。

* * * * * * *

「インプット」と「アウトプット」

どんな語学も「インプット」と「アウトプット」という2つの要素で成り立っています

「インプット」というのは、頭の中に「入力する」作業のことです。具体的には「話された言葉を聴く」か「文章を読む」のどちらかです。

一方で「アウトプット」は「出力」、つまり自ら「表現する」という行為です。具体的には「文章を書く」か「話す」行為のどちらかです。

昔から英語の学習といえば、日本では中学校、高校、大学を通して、「インプット」に偏りがちでした。とりわけ「文字を読む」という学習法が中心でした。これは「英語」という学問が、「英文学」の先生を軸に発展してきたことが大きいのではないかと思います。

でも、多くの人は文学を学ぶためではなく、「ツール」として使いこなすために英語を勉強するのです。ですから、「インプット」の英語力だけではなく、「アウトプット」の英語力も、バランスよく鍛えていく必要があります。