いまや300万人が働き、市場規模30兆円を誇る外食産業。その歴史を紐解けば、戦後の規制から農産物輸入規制と自由化の波、そして「ブラック企業」批判など、数々の苦境を乗り越えてようやく今に至っている。「それは金融などのように国から守られた産業と違い、ただ生存競争に明け暮れる、剥き出しの資本主義」と語るのが一般社団法人日本フードサービス協会顧問・加藤一隆さんだ。。たとえば日本最初のファミリーレストラン・ロイヤルホストの成り立ちなどは、正に日本の外食産業の歩みそのものと言えるそうで――。

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日本初のファミリーレストラン、ロイヤルホスト

今日、レストランやファストフードから居酒屋やカフェ、あるいは《中食》と呼ばれることもあるデリカテッセンなどの惣菜店も含めて、食品サービスの業界は外食産業と呼ばれています。

《外食産業》という言葉を誰が言い出したかについては諸説ありますが、私は江頭匡一(えがしらきょういち)さんだと思っています。江頭さんが新聞などのインタビューの記事で、「我々のレストラン業はホスピタリティ産業で、フードサービスインダストリー(外食産業)である」と繰り返し述べたのが始まりです。

日本万国博覧会(大阪万博)が開催された1970年は「外食産業元年」と言われています。大阪万博では、それまで日本の社会にはまだなかったファストフードの店やファミリーレストランの原型が登場しました。

そのファミリーレストランの原型こそ、江頭さんが出店したロイヤル(ロイヤル新天地店)です。

ロイヤルは万博の翌年、ロイヤルホストと名前を変えて、1号店が北九州市の黒崎に出店されました。これが日本で最初のファミリーレストランです。