夏といえばキャンプ。近ごろは、雑誌やテレビで特集が組まれるほど“熱い”らしい。スタイルは一昔前と様変わりし、県内でもおしゃれなキャンパーが増えているという。こだわりの道具=キャンプギアに囲まれ、至福の時間を過ごすグループに密着してみた。

 7月半ばの3連休。福井県坂井市丸岡町のたけくらべ広場には、定番のドーム型をはじめ、大人数向けのトンネル型、とんがり屋根のティピー型といったテントや、色鮮やかな日よけのタープが立つ。家族連れらがバーベキューを楽しみ、子どもたちは虫取りや水遊びに夢中。喧噪(けんそう)から離れ、涼しげな木陰でハンモックに揺られるお父さんの姿もあった。

 写真共有アプリ「インスタグラム」で知り合ったという4組のグループは、このキャンプ場の常連。県内外で年間30〜40泊するという、この道20年の福井市の会社員、重永友和さん(40)らがくつろぐ。回りには木製のローテーブルに椅子、レトロな風合いの棚やランタン、逆三角形のパネルを組み合わせた形のたき火台といった、厳選の“最強ギア”が並ぶ。

 「キャンプ場の雰囲気が変わった。近ごろは競うように好みの道具を集め、確実におしゃれになっています」と重永さん。インターネットの普及が背景にあり、手本にする「おしゃれさん」が持つ道具を参考に、通販などでこつこつと集めるそうだ。「男ってモノにこだわりがあり、キャンプにも個性が出てくる。人と同じじゃだめ、嫌なんですね」と屈託ない。

 仲間の自営業男性(44)は、個人や小規模事業者が展開するデザインと機能性が売りの「ガレージブランド」を愛用する。自身のアウトドアライフをインスタグラムで発信し、フォロワー数は4600人を超えるという。あわら市の会社員、高木新吾さん(39)も熱い。「自分的にはカモ柄とウッドが好み。一生の趣味だから、それはもう、こだわりますよ」

 福井県勝山市の堀正志さん、麻衣さん夫婦=ともに(34)=は友人ら6家族で訪れた。正志さんはキャンプにどっぷりはまり、椅子やテーブルを手作りする熱の入れよう。麻衣さんは「道具はお金がかかる。気になるところなので、(手作り志向は)ありがたいです」と笑顔だった。

 静けさを増す夜のキャンプ場はランタンの柔らかな光が浮かび、いいムードだ。重永さんらは小型バーナーで肉をあぶり、アヒージョを堪能。瞬くたき火の炎を囲みながら、キャンプ談議に花を咲かせた。

 福井のキャンパー御用達の「サンデーマウンテン」(福井県坂井市)は、本格的なキャンプ用品などを扱う専門店。300ブランド・4千種類超を取り扱う。ネット通販で業績を伸ばし、県内外から来客がある。

 西尾佳之店長(41)は「都市部に遅れていたが、福井にも波がきている」。登山や野外フェスの人気に加え、東日本大震災を契機とした防災品への関心の高まりもアウトドアに目を向けるきっかけになり、ブームを後押ししているという。

 非日常と開放感、お気に入りの道具に囲まれた空間で、家族や仲間と楽しむキャンプライフ。「かっこよくて、機能性も高い道具やファッションを求める傾向は強まっている。おしゃれなキャンパーは、どんどん増えるでしょう」