福井県鯖江市石田上町の眼鏡枠製造業「前澤金型」は31日、カメラの顔認証をブロックする眼鏡「プライバシーバイザー」の新しい試作品を発表した。同市と相互連携協定を結ぶ国立情報学研究所の越前功教授が技術協力。来年2月の発売を目指しており、市運営のクラウドファンディングサービス「FAAVOさばえ」で製造やPR費用の資金提供募集を同日始めた。

 プライバシーバイザーは、カメラの「顔検出機能」を特殊な模様を施した部材でブロックし、会員制交流サイト(SNS)と顔認識機能を介した人物特定を防ぐ。越前教授らが昨年5月に初代版を完成させた。

 ただレンズ部分の独特な白い模様や3万6千円と値が張ったことから改良に取り組んできた。新作はサングラスのような見た目でレンズの大きさを6割縮小。普段使いできるデザインだ。レンズは特殊なコーティングが施されており、上に10度傾けるだけで顔検出を防ぐ。十分な光の量が必要なため、屋外で効果を発揮する。価格は未定で、スクエアとオーバルタイプの2種類のデザインを用意した。

 同日、市役所で記者会見した同社の玉田隆則社長は「眼鏡を必要としない人にも使ってもらうことで、地盤産業の盛り上げに貢献できれば」と意欲を示した。越前教授は「研究成果を地場産業が吸収しただけでなく、主体的に独自解釈を加えて先端的なものづくりを行った、一つの大きな技術移管の事例になった」と述べた。