台風5号による大雨で、福井市美山地区では相次いで土砂崩れがあり、6集落が一時孤立するなど被害が出た。住宅のすぐ近くで激しくうねる芦見川の濁流、ゴロゴロと音をたてて崩れる土砂。地区の住民は「まるで福井豪雨のよう。雨がやまないと安心できない」と心配そうに話した。

 県道篠尾勝山線は同市吉山町から同市皿谷町までの約4キロ間で、10カ所以上の土砂崩れがあった。国道158号に出る迂回路は林道しかないため、吉山町の男性(59)は「この雨では林道は怖くて走れない。県道が使えないとここらの集落は孤立してしまう」と不安そうだった。

 同市西中町の会社員男性(31)は午前7時ごろに家を出たが、土砂崩れのため出勤を断念した。「夜のうちはそれほど雨が降っていなかったが、朝6時ごろは本当にひどかった」と話す。

 同市薬師町の国道158号では、谷川から土砂が流出。約50メートルにわたり道路が埋まった。この影響で午前7時10分ごろ、大野市方面に向かっていた乗用車1台が動けなくなった。

 運転していた福井市の会社員男性(24)は「前の車が普通に走っていて、大きな水たまりがあるぐらいに思っていた」と話す。車体の裏をこするような音とともに車が動かなくなり、土砂の存在に気付いたという。同乗者の男性(57)=同市=は「車から降りて押しても全く動かなかった。水量もどんどん増えて、レッカーを待っている30分ぐらいでタイヤがほぼ埋まった」と水の勢いに驚いていた。