東日本大震災で被災した福島県のために立待小(福井県鯖江市)の児童が復興支援ソング「ひまわり」を贈った物語が、福島県教委発行の道徳教育資料集に掲載され、福島県内の全小学校に配られている。資料集は道徳の授業で活用されており、当時、曲制作に携わった同小の元教員は「児童たちの思いやりから始まった活動が紹介されうれしい。災害時に助け合うことの大切さが広まれば」と感慨に浸っている。

 震災があった2011年、同小はヒマワリを育て、収穫された種を被災地に贈る取り組みを始めた。12年には児童自らの提案で曲作りに取り組み、福島への思いを込めた歌詞を制作。鯖江市の音楽ユニット「一途(いちず)」に曲を付けてもらい、福島県に贈った。

 その後も児童たちは被災地で曲を披露するなどの活動を継続。福島県教委で道徳教育資料集の作成に携わる編集委員がその取り組みに感銘を受け、取り上げることにした。

 今年2月に発行した3種類の資料集のうち、小学校版に掲載。同校が復興支援へヒマワリの種を贈る取り組みを被災した福島県の子ども目線で4ページにわたり紹介し、曲を励みにヒマワリのように元気になっていく姿を描いている。曲の全歌詞も掲載している。

 資料集は福島県内の全小学校に40〜80冊ずつ配布。道徳の授業で活用している。同県教委義務教育課は「震災はつらいことだったが、一方で復興を支援してくれた全国各地との強い絆が生まれたことも継承していきたい」と力を込める。

 27日には、ヒマワリを通した復興支援に取り組んでいるNPO法人チームふくしまの理事が立待小を訪問する。資料集掲載の記念と活動への感謝を込め、同校と市に「ひまわり」の歌詞と児童たちの取り組みを載せた看板を贈る予定だ。

 震災当時、児童たちとともに活動を始めた元教員の岩堀美雪さん(56)=鯖江市=は「被災地の人たちは震災を忘れられるのが一番つらいと話していた。大変なときは互いを思いやることの大切さが多くの人に伝わってほしい」と話していた。