福井県のえちぜん鉄道三国芦原線と福井鉄道福武線の相互乗り入れが、2年目に入ってからも好調を持続している。4〜6月の3カ月間に田原町駅(福井市)をまたいで直通区間の鷲塚針原(福井市)ー越前武生(越前市)を移動した利用者数は約4万人で、運行開始直後の2016年度同期を約3500人上回った。通学定期が約1・3倍と堅調に伸びたのが主な要因。福井県は「乗り換えのいらない快適さが、高校生から好評を得ている」と分析している。 

 県交通まちづくり課が、4月1日から6月30日まで3カ月間の各種切符の発売枚数から利用者数を計算し、24日に発表した。利用者数の内訳は片道切符と往復切符、回数券、定期券の「一般利用者」の数が約3万7600人で、16年度同期を約4800人上回った。一方で土日、祝日にえち鉄、福鉄の全区間を乗り放題で移動できる「共通1日フリー切符」の利用者数は約2千人で16年度同期を約1300人下回った。差し引き約3500人の増となった。

 各種切符の発売枚数でみると、通学定期が順調に推移している。累計有効枚数は384枚と16年度同期を79枚上回り、田原町駅での乗り換えが必要だった15年度同期の約5・2倍に増えた。丹南方面から福井商業高や啓新高に通う生徒は、学校近くの福大前西福井駅まで乗り換えせずに通学できるのが好評の理由だ。啓新高1年の生徒たちは「駅から学校まで歩いて5分ほどなので雨の日は特に便利です」と話す。

 通勤定期の累計有効枚数は微増の96枚。車社会の福井県で、沿線のパークアンドライド駐車場にマイカーを止めて電車で通勤するスタイルが徐々に浸透しているようだ。

 ただ普通切符(片道)の発売枚数は5058枚で16年度を840枚下回った。共通1日フリー切符と普通切符(片道)の利用が落ち込んだことについて県交通まちづくり課は、1年目の開業当初は異なる事業者の鉄道と路面電車の相互乗り入れが全国初だったことや、えち鉄の次世代型低床車両キーボの登場が注目を集めて数字を押し上げたため「単純比較できない。2年目としては堅調」としている。

 16年度に田原町駅をまたいで直通区間を利用したのは約13万2600人。田原町駅での乗り換えが必要だった15年度を約8万3千人上回り、目標の5万人増を大幅にクリアした。17年度の目標に掲げた15年度比9万人増に向け、同課は「乗り換えなしに移動できる快適さや、電車に乗るとお得に買い物できる利用促進策などを主婦やお年寄りにアピールして日中の乗客を増やしたい。土日、祝日の1日フリー切符とバスを組み合わせた小さな旅も事業者とPRしていきたい」としている。

 ■全国先駆けえち鉄、福鉄相互乗り入れ

 えちぜん鉄道三国芦原線と福井鉄道福武線の急行、普通電車が鷲塚針原(福井市)ー越前武生(越前市)の26・9キロに乗り入れる事業で、2016年3月27日に運行を開始した。田原町駅(福井市)での乗り換えがいらなくなり、急行電車の場合、所要時間は鷲塚針原―越前武生が約80分から約60分に短縮された。異なる事業者の鉄道と路面電車の相互乗り入れは全国初。路面電車と郊外電車は乗車口の高さが異なるため、乗り入れ区間のえちぜん鉄道の駅では新たに低いホームを作ったり、延長したりして対応している。

 電車の活用が進んでいる富山市でも、市内南側を走る路面電車の富山地方鉄道富山軌道線と北側の富山ライトレール富山港線を新幹線高架下に設けられた富山駅中の停留所で接続する工事が進んでいる。