福井コンピュータホールディングス(本社福井市)に勤めていた40代男性が勤務中に死亡したのは長時間労働が原因だとして、同市内の妻が国を相手に労災保険の遺族補償不支給処分の取り消しを求めた訴訟の第1回口頭弁論が8日、福井地裁(林潤裁判長)であった。妻は意見陳述で「時間外労働が月193時間以上の月もあったことが(福井労働局の労災保険審査官に)認められている」と述べ、長時間労働の影響で急死したと主張。国側は請求棄却を求め争う姿勢を示した。

 妻は「死因が急性すい臓壊死(えし)とされたことに疑問がある。二度とこのようなことが起きないよう、夫の死の原因が仕事であったことを認めていただきたい」と訴えた。

 男性は坂井市内の職場で働いており、死亡当時、福井大医学部附属病院に運ばれ、急性すい臓壊死が死因とされた。妻側は弁論で「心臓疾患によるもの」と主張。福井地裁から福井大医学部や解剖を委託した坂井署に解剖記録などの開示を求めるよう申し立てた。

 訴状などによると、業務部の課長として管理職だった男性は2015年5月、会社のトイレで倒れているのを発見され、病院で死亡が確認された。死亡するまでの6カ月間、時間外労働は過労死ラインとされる月100時間を超えていた。

 原告側は、福井労基署に遺族補償給付などを求めたが退けられ、審査請求や再審査請求も棄却された。労災保険審査官はビルの入退館時刻を基に、死亡前6カ月間の時間外労働が月106〜193時間だったと認定したが、業務と急性すい臓壊死との間に因果関係は認められないと結論づけた。

 男性の勤務状況について審査官は▽管理職であり出退勤時間や休暇を自ら調整する権限を持っていた▽早朝出社や深夜業務は業務命令として課されていない―と指摘。一方で妻は「夫は『仕事が山積みになっている』と言って仕事に行っていた」と陳述した。