お年寄りの善意につけ込み現金を詐取―。福井県あわら市の女(58)が架空の少女になりすまし、支援名目で福井県内の当時70代の知人男性から現金7万円をだまし取ったとして詐欺の疑いで書類送検、起訴されていたことが11月20日分かった。福井地裁(渡邉史朗裁判官)で同日、初公判があり、被告は起訴内容を認めた。検察側は懲役1年6月を求刑し、即日結審した。

 起訴状によると、被告は男性に架空の少女を電話で紹介した上、自ら少女になりすまして電話して実在すると誤信させ、展示会に作品を出すための宿泊費や交通費名目で5月20日に3万円、同23日に4万円をだまし取ったとされる。

 検察側の冒頭陳述によると、被告は昨年9月ごろ、男性に「家出をした小学生を預かっている。育ての親に暴力を振るわれて家出し、山形で面倒を見ている」などと説明。声色を使って小学生の少女になりすまし、実在すると信じ込ませた。起訴された案件以外にも男性から70〜80回にわたり500万〜600万円をだまし取ったという。

 個人での支援に限界を感じた男性は「才能のある子には公的支援が必要」と考え、福井市役所に相談したことで、詐欺事件と分かった。

 出廷した男性は「信じに信じ切っていた」と話し、被告は被告人質問で「生活費が欲しかった。人のいい男性をだまして申し訳ない」と述べた。検察側は論告で「善意につけ込んだ悪質で狡猾(こうかつ)な犯行。被害者は被告による強固なマインドコントロールの下にあった」と非難した。