福井県と県内市町が2018年度に受けた公害苦情の総件数が、前年度比5・6%増の798件で2年連続増加したことが県のまとめで分かった。総件数は過去10年でみると2番目、過去15年では5番目に多い。特に大気汚染や悪臭についての苦情が増えており、ともに原因は「野焼き」に関するものが多いという。

 総件数は、ごみ焼却場のダイオキシン問題などへの市民の関心が高まり、3年連続で800件超となった06〜08年に迫っている。

 環境基本法で公害と定める大気汚染、悪臭、騒音、水質汚濁、振動、土壌汚染、地盤沈下の「典型7公害」についての苦情が525件で、全体の65・8%を占めた。このうち、大気汚染に対する苦情が最多の236件(前年度比23件増)。次いで水質汚濁124件(同38件減)、悪臭94件(同27件増)、騒音59件(同2件増)だった。

 ここ数年増加傾向にある大気汚染の約8割、悪臭の約4割が「野焼き」に関する苦情となっている。県などによると、近所で個人によるたき火や、田んぼや畑でわらや枯れ草を焼くケースが目立った。野焼きは法律で禁止になっているが、伝統行事や農林漁業の作業でやむを得ない場合などは除外されている。

 一方、典型7公害以外の苦情も前年度比11・0%増の273件あった。ごみの不法投棄に関するものが約7割を占めている。

 苦情件数の増加について、県環境政策課は「住民の環境に対する意識や関心が年々高まっているからではないか」とみている。

 一方、県は大気・水質の18年度監視結果も公表した。微小粒子状物質「PM2・5」は県内9カ所で測定し、年平均の環境基準(1立方メートル当たり15マイクログラム以下)を超えた地点はなかった。超過ゼロは3年連続。

 地下水については、過去に汚染が確認された36地区のうち12地区で環境基準値を超過。工場などで金属製品の洗浄廃液に含まれる「トリクロロエチレン」など人為的原因が9地区、ヒ素による自然的原因が3地区だった。