いつの時代でも「カフェ」という存在は人々をトリコにします。近年のSNS人気も相まって、おしゃれなカフェ巡りを楽しむ女性も多い中、にわかに脚光を浴びているのが「昭和レトロな喫茶店」。中年以上の方はノスタルジックを感じ、若者にとってはおしゃれなカフェにないレトロ感が斬新だと感じるんだそうです。そこで福岡に今なお現存する「昭和レトロ喫茶店」をピックアップしてご紹介していきたいと思います!

「チャーリー☆ブラウン」の場所は、昭和な雰囲気漂う「サンセルコ」の中

 

今回ご紹介する「チャーリー☆ブラウン」があるのは、福岡の大動脈である渡辺通りと住吉通りが交差する一角にある商業施設「サンセルコ」の地下。

 

サンセルコは地上10階、地下2階建ての建物で、1979年3月に開業。今年で45周年を迎える福岡有数のレトロビルなんです。

 

 

渡辺通り側には「サンセルコ広場」と呼ばれる広場があり、そこから5階まで続く大階段が備え付けられているのが特徴。

 

空に伸びる赤白の高い鉄塔は、かつて地元テレビ局「福岡放送(FBS)」の社屋となっていたころの名残り。昔はこの鉄塔に「FBS」の文字が入っていました。

 

ちなみにサンセルコという名前の由来は、太陽を意味する英語(SUN)と、S=ショッピング(Shopping)、E=イーティング(Eating)、L=ロッジング(Lodging)、C=カルチャー(Culture)、O=オフィス(Office)の頭文字を組み合わせた造語なんだそうですよ。

 

参考資料:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%82%B3

 

 

サンセルコには複数の入り口があるので、お好きな入り口から入館しましょう。

 

 

昭和レトロな雰囲気が漂う館内。1は「サンローゼ博多」という名のショッピングアーケードになっており、様々なお店が入居しています。

 

年季の入ったエスカレーターで地下へと進みましょう。

 

 

昭和にタイムスリップしたかのようなロケーション

 

地下1階は「飲食のれん街」なるフロアになっており、15店舗ほどの飲食店や、優良運転者を対象とした運転免許更新所「ゴールド免許センター」が入居しています。

 

その一角に「チャーリー☆ブラウン」を発見!

 

 

レトロな雰囲気の八角形の案内表示看板。喫茶店やカフェではなく、「パーラー」という言葉のチョイスがレトロ感を増幅させてくれます。

 

ちなみに「パーラー」とは本来「応接間」や「談話室」を意味する言葉。その延長から「ちょっとした飲食物を提供するお店」という意味合いで昭和時代から使われるようになったんだそうです。

 

「喫茶店」「純喫茶」「カフェ」そして「パーラー」。どれも似ている言葉ではありますが、それぞれ若干ニュアンスが違うあたりも面白いですよね。

 

 

昭和レトロ喫茶店の代名詞とも言える「食品サンプルメニュー」もチャーリー☆ブラウンではまだまだ現役です!

 

 

テラコッタタイル風のフロアと細い足のチェアーで構成された店内。一部が円形になっている個性的な造作のカウンターも昭和っぽいです。

 

 

外観からは分からないのですが、意外にも奥行きがある店内。奥には4人掛けのテーブル席が6台完備されています。

 

 

一番奥の棚にはスパイクやボールなどのサッカーアイテムが展示されています。

 

 

壁面には著名人のサインがズラリ。40年もの長きに渡り営業してこられた証ですね。

 

 

チャーリー☆ブラウンとアビスパ福岡との関係性

右が店主の「チャーリーさん」こと山崎孝広さん。左が息子の見全(けんぜん)さん。親子2代でお店を営まれています。

 

「チャーリー☆ブラウン」を営むのは、佐賀市出身の山崎孝広さん。御年70歳。

常連客からは店名をもじって「チャーリーさん」と呼ばれています。(以下、文中でもそう呼ばせていただきます)

 

チャーリーさんは佐賀市内の高校を経て東京の大学に進学し、当時有名だった「フィンランド洋菓子店(現在はパティスリーティアレに改称し、東京・武蔵野市にて営業)」に就職し、喫茶部門で調理を担当されていました。

 

その間に実家が福岡に転居していたこともあり、30歳を機にチャーリーさんも福岡へ移住し、独立開業することに。

出店地を探していたところ、たまたまサンセルコの地下の現在の場所を紹介され、サンセルコの開業から4年後となる1983年に「チャーリー☆ブラウン」をオープンされました。

 

店名の由来は、チャーリーさんが好きだった本のキャラクターから名付けたそう(お察しください)。

喫茶店ではなく、あえて「パーラー」としたのは「その響きから女の子が集まるような店にしたかった」そうですが、実際には同居するFBSや近くの九州電力の男性社員のお客さんが多く、その「かわいい企み」はもろくも崩れてしまったんだとか(笑)

 

オープン以来、たくさんのお客さんで賑わっていたそうですが、時代は昭和から平成に移り変わり、天神地区の開発も進んだことで付近には飲食店が急増。

客数が落ち着きだしたこともあり、メインメニューをカレーに絞り、地に足をつけた営業を続けてきました。

 

特別に40年前の手書きのメニューブックを拝見させていただきました。スパゲッティやピラフ、クレープといった古き良きメニュー名が並びます。それにしてもどれも安い!

 

そんな中、プロサッカークラブ「アビスパ福岡」がサンセルコの同フロアに事務所を構えたことで関係者や選手が来店するようになり、やがてアビスパののぼりを掲げたり、パブリックビューイングを行うなど店をあげて応援することに。

 

それを知ったアビスパファンの間で噂が広まり、来店するファンも徐々に増え続け、今では「アビスパファンの聖地」になっているんだそうです。さらにアビスパ福岡の試合時はベスト電器スタジアムに出張出店もしているそうですよ。

 

また、2年前からは息子の見全(けんぜん)さんも後継者として入店。現在は親子2代でお店を切り盛りされています。

 

 

メインメニューのカレーは、40年間変わらぬ味

 

こちらがメニュー。メインメニューのカレーは最安値の「ビーフカレー(普通盛り/税込700円)」や一番人気の「チーズカツカレー(普通盛り/税込1,030円)」など合計16種類が揃います。

普通・中盛り・大盛りの3段階の価格設定になっており、辛さは甘口・普通・辛口の中から選べます。ウインナーや卵などトッピングのオプションもありますよ。

 

 

お店のイチオシなのが「ねぎ玉カレー(普通盛り/税込820円)」。

このメニューが誕生したきっかけは常連さんからの「納豆カレーが食べたい」という一言から。納豆を入れるのならネギも要るよね、卵も要るよね、となった結果、納豆だけを抜いたこの一品ができたんだそう。

 

ちなみに納豆が入った「ねぎ玉なっとうカレー(普通盛り/税込880円)」もありますよ。

 

 

卵の黄身をスプーンでほぐし、ネギとルーを絡めていただきます。

カレーのレシピはチャーリーさんが勤めていた「フィンランド洋菓子店」で学んだものをベースに醤油などを加えて独自でアレンジしたもの。

 

程よい辛さとトロトロのルー、クセのない味はむしろ「家庭のカレー」に近い印象で、いつでも飽きなく食べられるのが特徴。

40年間変わらぬ味は、常連さんはもちろん、今なお多くのお客さんに愛されています。

 

 

昔懐かしいレトロなメニューも豊富!

ナポリタンやミートソースなどのスパゲッティ、ドリアやピラフ、クリームソーダといった昔ながらの喫茶メニューも揃います。

 

 

その中でもクリームソーダ(税込500円)は、様々なカラーバリエーションがオーダーできるのも魅力。

こちらはアビスパ福岡のクラブカラー「ネイビー」とブルーヴェールダンス」をイメージしたというオリジナルのクリームソーダです。

 

 

聞きなれない「ブルーヴェールダンス」とは、フランスの伝統色である青緑色(深绿蓝)のこと。クリームソーダの上のアイスはソフトクリームが使われています。

 

アビスパファンならずとも、ぜひ食べてもらいたい一品です。

 

なお、チャーリー☆ブラウンのある渡辺通や清川界隈は、入居するサンセルコはもちろん、近くの柳橋連合市場をはじめとした昔ながらの建物やお店が所々に見受けられる「福岡の隠れたディープスポット」でもあります。

 

そろそろ暖かくなってきましたので、お散歩がてら「レトロな福岡」に会いに出かけてみてはいかがでしょうか?

 

 

チャーリー☆ブラウン

住所:福岡市中央区渡辺通1-1 サンセルコB1-21

電話番号:092-713-8098

営業時間:10:00〜20:00

定休日:日曜日

Instagram:https://www.instagram.com/charlie_avisupporter/

 

 



著者:久原茂保