一見なんてことないバス停とそのまわりも、視点を変えれば観光資源。そんな思いで福岡市のバス停を取り上げ、ご紹介する本企画。連載22回目は、前回に引き続き「別府橋(べふばし)」バス停をご紹介します。


別府橋、前回の続きです。

バス停の運賃表

前回の最後は、2つ並んで立つバス停の右側、城南線経由のバス停について
「ひとバス停ごとに運賃が上がる区間」に注目しましたが、左側バス停の運賃表にも目を向けてみましょう。

橋本は、乗るバスによって運賃が違います。490円と530円。

でも40円差なら、安い204番を10分待つより、すぐ来る203番を使いたい人もいると思います。時刻表を見ながら、バスに乗るか見送るか、時としてそんな選択も迫られることがあるのです(一般の人には恐らくありません)。

ここ別府橋は均一運賃区間内のため、どの系統に乗っても天神も博多駅も240円ですが、郊外は違います。以前ご紹介した野方遺跡入口も、504に乗るか206に乗るかで、運賃も所要時間も大きく変わります。

一般的には「速く」「安く」目的地に到着するのが理想ですが、バスマニアは「同じ運賃なら長く乗れるほうが得」と敢えて時間がかかるほうを選んだり、「この系統は最近乗れてないから」と本数の少ない系統を待ったりすることも。楽しみ方は無限にあります。

郊外方向のバス停の行先表記

道の反対側にあるバス停にも目を向けましょう。こちらも2本立っています。


郊外方面の「別府橋」(左側)


郊外方向の「別府橋」(右側)

隣接するバス停が表示されていて、2本とも同じです。
当たり前に思えるかもしれませんが、場所によっては2本の表記が違うので、気にしてみてください。バス停の担当が分かれていて、直進と左折の路線をそれぞれ記載している例もあります。どことは敢えてお伝えしません。教えられるより自分で見つけるほうがずっと嬉しいです、たぶん。

再び都心方向のバス停を眺める

先ほどまで注目していた都心方向のバス停を、道路の反対側から眺めます。
2本の表記は同じですが、先ほどの郊外向きには記載されていた「別府団地」がありません。これは間違いではなく、別府橋→別府団地の路線はあるのですが、別府団地→別府橋の系統はないのです。非常に細かい気配りがなされています。

こちら側の「BEFUBASHI」には、隙間がありませんね。

行先の方面と路線図
続いては、行先の「〇〇方面」に注目してみます。

都心方向の別府橋(左側)


都心方向の別府橋(右側)

左側のバス停は、「A早良・B金武・C野方」方面
右側のバス停は、「D西新・E藤崎・F福岡タワー・G片江」方面という分担。


別府橋(左側)の路線図


別府橋(右側)の路線図

ところが路線図は、原・B金武・C野方方面という表記で、D西新・E藤崎・F福岡タワーもまとめて左側に表示され、G片江・A早良だけが右側にあります。1枚の紙にどうまとめるかは、担当者さんの腕の見せどころでもありますが、苦心されている様子も覗えます。

時刻表の貼り方


別府橋(左側)の時刻表


別府橋(左側)の時刻表。矢印部分に切り継ぎ線があるのが見えるだろうか。

続いて時刻表を見ていくと、
左側がC早良・B金武・A野方で、
G片江・D西新・F福岡タワー・E藤崎が右側と、
アクリル板に表示された分類と同じです。しかし順番は違います。たくさんの系統が記載される場合、基本的に行先番号の小さいものから大きいものの順番になります。

ではなぜ、右側の時刻表では「12」番片江より後に6番「タワー」や7番「姪浜駅」があるかといいますと、切り継がれた跡がお分かりいただけますでしょうか。

前回の記事でもお話しした「バス停コード」による分類では、
「①早良・②金武・③野方・④西新・⑤藤崎・⑥福岡タワー」を担当しているバス停が562050-07で、「⑦片江」だけが562050-06になっています。

そのため、別府橋用に出力される時刻表も、先に-06の「12桧原片江方面」が印刷され、その後に「6タワー方面」、「17早良営業所方面」という順番なのです。

この中からわざわざ、「6」から「11」だけを右側バス停に切り継いでいるのは、恐らく掲載スペースの都合でしょう。バス停コードの通りに分けると、2つのバス停の時刻表分量に差が出すぎるという判断だと推測されます。

たったひとつのバス停にも、いろいろな情報や思いが詰まっています。

ちなみに、バス停そばにある月川のもつ料理はとてもおいしいのですが、マニアにとってバス停は見るところが多すぎて、バス停そばのグルメに言及するまで、非常に長い時間を要するのでした。

【基本情報】
バス停名:別府橋(べふばし)
・住所:〒810-0044 福岡県福岡市中央区六本松4丁目11
・天神からの行き方一例:
「天神警固神社・三越前 (六本松方面)」から普通203 室住団地 経由 野方ゆきに乗車、約13分、240円

著者:沖浜貴彦 (バス路線探検家)