昨季投手2冠に輝いたG菅野、今季3冠なるか

 新シーズンに向けて各球団が着々と準備を進めているプロ野球。少し気が早いが、ここで2018年シーズンの個人タイトルを予想してみたい。今回はセ・リーグ投手編。

 過去3年の先発投手のタイトルホルダーは以下の通り。

〇2015年
最多勝 前田健太(広)15勝
最優秀防御率 ジョンソン(広)1.85
奪三振王 藤浪晋太郎(神)221三振
〇2016年
最多勝 野村祐輔(広)15勝
最優秀防御率 菅野智之(巨)2.01
奪三振王 菅野智之(巨)189三振
〇2017年
最多勝 菅野智之(巨)17勝
最優秀防御率 菅野智之(巨)1.59
奪三振王 マイコラス(巨)187三振

〇過去3年間の勝利5傑
1菅野智之(巨)36勝22敗
2ジョンソン(広)35勝17敗
3メッセンジャー(神)32勝28敗
4マイコラス(巨)31勝13敗
5野村祐輔(広)30勝16敗

 巨人の菅野は2016年、防御率、奪三振のタイトルを獲得しながら、9勝(6敗)にとどまった。援護率が規定投球回数以上の投手で最低の2.88だったからだ。3年間の勝ち星は、2位のジョンソンと1勝差だが、実力的には頭一つ抜けている感がある。巨人打線には今年ゲレーロが加わった。援護率が下落することは考えにくいので、最多勝候補の筆頭は菅野だろう。

 これに次ぐのは、スタミナ抜群のメッセンジャーか。昨年は負傷で離脱したが、シーズン最終盤に復帰した。連覇の広島では、やはり野村祐輔が有力ではないか。

本命:菅野智之(巨人)
対抗:メッセンジャー(阪神)
穴:野村祐輔(広島)

マイコラスが巨人退団、最優秀防御率&最多奪三振は誰の手に?

 最優秀防御率のタイトルも、菅野が本命だろう。故障や怪我がない限り、菅野の防御率が2点台後半まで落ちることは考えにくい。マイコラスが退団したため、菅野に肉薄する投手も見当たらない。強いてあげれば制球力がいい阪神の秋山拓巳、安定感のある広島の野村祐輔か。

本命:菅野智之(巨人)
対抗:秋山拓巳(阪神)
穴:野村祐輔(広島)

 最多奪三振は、パ・リーグの則本昂大(楽天)のように200奪三振を記録するようなパワーピッチャーはいない。ここ2年、奪三振王は180台だ。昨年の100イニング以上の投手のK9(9イニング当たりの奪三振数)ランキングは以下。

1濱口遥大(De)9.90(136三振123.2回)
2メッセンジャー(神)9.76(155三振143回)
3マイコラス(巨)8.95(187三振188回)
4石田健大(De)8.75(103三振106回)
5今永昇太(De)8.51(140三振148回)

 マイコラスよりも奪三振率が高い投手はいるが、長いイニングを投げることができないのだ。DeNA濱口はリーグ最多の69与四球。これでは長いイニングは難しい。阪神のメッセンジャーがフルに投げることができるなら、奪三振のタイトルがついてくるだろう

 さらにポストシーズンに目の覚める投球をした今永昇太にも期待がかかる。200イニング以上を投げるようなら、菅野智之(K9は8.22、7位)がタイトルを取る可能性も高まってくるだろう。

本命:メッセンジャー(阪神)
対抗:今永昇太(DeNA)
穴:菅野智之(巨人)

 こうしてみると巨人の菅野が主要なタイトルを独占する可能性があることがわかる。他の投手にも奮起にも期待したい。

ここ3年の救援タイトルホルダーの顔ぶれが毎年変化しているセ

 救援投手の過去3年のタイトルは以下の通り。

〇2015年
最多セーブ バーネット(ヤ)、呉昇桓(神)41S
最優秀中継ぎ 福原忍(神)39HP
〇2016年
最多セーブ 澤村拓一(巨)37S
最優秀中継ぎ マシソン(巨)49HP
〇2017年
最多セーブ ドリス(神)37S
最優秀中継ぎ 桑原謙太朗(神)、マテオ(神)43HP

 パと違って、セは毎年のようにクローザー、セットアッパーの顔ぶれが変化している。移籍したり、不振に陥ったり、長続きしないのが悩みのタネだ。一昨年、救援2タイトルを独占した巨人は、昨年は救援陣の駒不足に泣いた。特にセットアッパーは2016年で116HPだったが、2017年は12球団最少の70HPと激減した。当然、今季はその部分に力を入れると思われる。

 昨季最多セーブの阪神・ドリスは、2016年は負傷の影響もあって34試合しか投げておらず、盤石とは言えない。防御率でいえばDeNAの山崎康晃。昨年前半不振に陥り、一時中継ぎにまわったためセーブ数は26にとどまったが、内容的には一番だった。こちらを本命にしたい。

 目立たないながらも中日の田島慎二は34セーブ。セーブ数はチームの勝利数にリンクするため、中日の勝利数が増えれば、田嶋にも芽が出てくるだろう。巨人のカミネロは29セーブ。防御率も2.42と良かったが、昨年は外国人枠の関係で一時登録を外れた。今季も巨人の外国人は窮屈な起用が続く。フルで起用されれば有力だが、どうだろうか。

本命:山崎康晃(DeNA)
対抗:ドリス(阪神)、田島慎二(中日)
穴:カミネロ

 最優秀中継ぎを予想してみよう。以下は昨年のホールドポイントランキング。

1桑原謙太朗(神)43
1マテオ(神)43
3三上朋也(De)34
4ジャクソン(広)32
5マシソン(巨)31
5パットン(De)31

 阪神2位の原動力は、桑原、マテオ、高橋聡文というセットアッパー陣だった。今季も健在だが、桑原は昨年67試合に登板したが2016年は1軍登板なし。キャリアでもシーズンを通して投げたのは2017年が初めてだった。今季はその反動が来る可能性がある。2年間で115試合に登板し、安定感があったマテオの方が有力だろう。

 広島はセーブ、ホールドともに多くはなかった。大差の試合が多く、セーブ、ホールドのシチュエーションが少なかったのだ。しかし50試合以上登板が今村猛(68試合)、ジャクソン(60試合)、一岡竜司(59試合)、中崎翔太(59試合)、中田廉(53試合)と5人もいた。今村は一時期、中崎に代わってクローザーになったためホールド数は17にとどまったが、セットアッパーに専念すれば、数字は伸びるだろう。さらに、6年間で152ホールドを記録した巨人・マシソンは外せない。

本命:マテオ(阪神)
対抗:今村猛(広島)
穴:マシソン(巨人)(広尾晃 / Koh Hiroo)