6日に笠谷、伊藤、斎藤と行う自主トレを公開

 まだ、その存在は健在である。同世代は1人、また1人と現役を退き、その数は確実に減ってきている。2年間チームメートだった世代の代表でもある松坂大輔はチームを去り、中日の入団テストを受けるという。巨人を退団した村田修一はまだ来季のチームが見つかっていない。同級生たちが厳しい現実に直面する中で、ソフトバンクの和田毅投手は若い選手たちと汗を流していた。

 1月6日。新年を迎えたばかりだというのに、和田は福岡・筑後市にあるファーム本拠地「HAWKS ベースボールパーク筑後」で始動していた。昨年、門下生となった笠谷俊介に加え、今年は育成選手の伊藤祐介、斎藤誠哉の2人が加わり、若い3人とトレーニングを行う。1月中旬からは昨年のドラフト1位田中正義も参加する。計4人の“塾生”とともに、2月1日のキャンプインに向けて体をいじめ抜く計画だ。

 2018年でプロ16年目、37歳となる和田。昨季は左肘の遊離軟骨除去手術を受けるなど長期の離脱。シーズンはわずか8試合の登板に終わり、4勝0敗という成績だった。チームは日本一奪還に成功したものの、和田自身にとっては悔しさの残るシーズンとなった。

 巻き返しを図る2018年。ただでさえハードな自主トレを行うことで知られる和田だが、その厳しさはより一層のものとなるだろう。「怪我をしない、1年間しっかりローテを崩さずに投げきれる体を作りたい」というのが、今年の自主トレのテーマに掲げたものだ。

テーマは体の使い方「体幹とお尻、ボディバランスというか……」

 そのために、細かい体の使い方を意識したトレーニングを行なっていくつもりだ。これまでにも取り組んできていたことではあるものの、「より細かくやっている、ちゃんと理解した上でやっている感じですかね。疲れてくるとうまく使えなくなってくる。本当に難しい部分ではあるんです」という。そして「体幹とお尻、ボディバランスというか……。体を支える部分をちゃんと使って体を支えないといけないんですけど、そこが機能していないと他に力が入ってしまうというところがある」と説明はしてみたものの、「うーん、うまく説明出来ないですね」となった。和田の聡明さをもってしても、言葉では言い表し難いことのようだ。

 トレーニングの細かな内容については「企業秘密」だという。自身のパーソナルトレーナーからの教えもあり、オリジナルで探求を重ねてきたもののよう。もちろん自主トレに参加している若手には包み隠さず教えるが、自主トレ公開日だった6日も、公開されている間はこれらのトレーニングは行わなかった。「これは外には漏らせない。他の人がパクって本にされてもイヤなんで(笑)」という門外不出、“極秘”のトレーニングなのだという。

 ランニング一つとっても、若手が悲鳴を上げる内容を、和田は平然とやってのける。体力だって、まだまだ若い選手に引けを取らない。それだけのトレーニングの量を積み、それを継続してきたことの証であろう。

「若い選手は若さや柔軟性でカバーできる部分はありますけど、年齢が上がってくるとそういうところでカバーできなくなる。僕も この年齢になって怪我が増えてきてますし、もう一度怪我をせずに1年間投げるためには、しっかりやっていかないといけない部分がある」。37歳にして尽きることのない探究心と向上心。「企業秘密」のトレーニングの成果は、シーズン中のマウンドでしっかりと示してくれることだろう。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)