プロ20年間の通算安打は300安打 「300本安打の記念Tシャツを作ろうか」

 今季限りで現役を引退し来季からオリックスのバッテリーコーチに就任する山崎勝己。最後の“ダイエー捕手”としてもしぶとくプロの世界を生き抜き20年のユニホームに別れを告げた。通算成績は943試合に出場し打率.196、4本塁打112打点。悔いのない現役生活と語っていたが、ひとつ果たせなかった約束があった。

 ソフトバンクからオリックスにFA移籍してから主に2番手捕手、抑え捕手としてチームを支えてきた。積み重ねた安打はちょうど300本で、現役最後の安打を放ったのは2018年8月30日・日本ハム戦にまで遡る。

「300本安打の記念Tシャツを作ろうか。皆(報道陣)で祝ってよ。オフのトレーニング、試合前の練習で記念Tシャツを着て笑いでも取るよ。301安打目を打った時に用意しておいて」

“節目”の安打を放った試合後には笑顔で約束を交わした。だが、2019年は24試合に出場し8打数無安打、そして2020年はシーズン中盤に1軍昇格を果たしたが打席に立つことはなく、出場もわずか1試合に終わり再び2軍落ち。

 あの約束から2年が過ぎた今年の11月4日に現役引退を発表。「Tシャツはアカンかったなぁ、ゴメンやで」。山崎に残された試合は“引退試合”の1試合のみ。本人は守備だけを予想していたため、打席に立つことは諦めていた。

 だが、中嶋監督の計らいもあり引退試合となった11月6日・日本ハム戦の8回に代打で登場。301本目の安打を放つ最後のチャンスが訪れた。目を真っ赤にし、涙を流した打席は初球を豪快なフルスイングで空振り。あの場にいた報道陣たちは誰もが最後の1本を願っていたが結果は2球目を打ち三ゴロに倒れた。

「最後の最後で打ったらカッコよかったけど、あれも俺らしくていい。これからは指導者になるけど若い捕手は300安打は“最低条件”としてやってもらおうかな(笑)」

 誰からも愛され、尊敬されたベテラン捕手の第2の人生は後進の育成。300安打を超える名捕手の誕生が今から楽しみでしかたない。(Full-Count編集部)