巨人はシーズン途中加入の高梨、ウィーラーが大きな戦力に

 2021年もスタートし、新たな1年が始まった。プロ野球の各球団は迫るキャンプインに向けて、戦力編成を整え、今季に向けてのチーム作りを進めている。

 チームの戦力状況を見極め、足りない部分を補う補強。それがハマるか、ハマらないか、で、その年のシーズンの行方を大きく左右することになる。期待して獲得した助っ人がそれに応えられないことも珍しくはない。

 では、昨シーズン、開幕前とシーズンに入ってから各球団が行った補強の成果はどうだったのか? 今季のキャンプインを前に検証してみよう。なお、貢献度を測る指標「WAR」は、セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTAのデータを参照した。今回はセ・リーグ6球団をみていく。(※はシーズン途中加入の選手)

【巨人】合計WAR1.4(平均0.16)
A・サンチェス投手
15試合8勝4敗0S0H 3.08 WAR1.7
T・ビエイラ投手
27試合0勝1敗0S2H 3.28 WAR0.1
N・ディプラン投手
2試合0勝0敗0S0H 19.29 WAR-0.5
田中豊樹投手
31試合1勝1敗0S1H 4.88 WAR0.1
E・ウレーニャ内野手
11試合18打数3安0本0点 .167 WAR-0.3
G・パーラ外野手
47試合146打数39安4本13点 .267 WAR-0.5
高梨雄平投手※
44試合1勝1敗2S21H 1.93 WAR1.0
Z・ウィーラー内野手※
98試合263打数65安12本36点 .247 WAR0.0
香月一也内野手※
8試合9打数0安0本0点 .000 WAR-0.2

 昨季2年連続でセ・リーグを制した巨人。支配下で開幕前に6選手を補強、開幕後もトレードで3選手を迎え入れた。サンチェスはローテの一角で8勝をマークして活躍。もう1人の目玉だったパーラは故障もあり47試合の出場で打率.267に終わった。

 シーズン中にトレードで楽天から獲得した高梨、ウィーラーの2人は大きな成果に。高梨は中継ぎとして44試合に投げて防御率1.93と好成績を残し、ウィーラーも98試合で打率.247、12本塁打。その陽気なキャラクターも相まって戦力となった。

助っ人8人体制で挑んだ阪神はスアレスが守護神として活躍

【阪神】合計WAR4.1(平均0.59)
J・エドワーズ投手
23試合0勝1敗0S12H 2.38 WAR0.5
J・ガンケル投手
28試合2勝4敗0S11H 3.18 WAR0.6
R・スアレス投手
51試合3勝1敗25S8H 2.24 WAR1.7
中田賢一投手
3試合0勝2敗0S0H 7.59 WAR0.3
J・ボーア内野手
99試合329打数80安17本45点 .243 WAR0.2
J・サンズ外野手
110試合377打数97安19本64点 .257 WAR0.9
小林慶祐投手※
2試合0勝0敗0S0H 0.00 WAR-0.1

 昨季は2位となった阪神。大量5人の助っ人を補強し外国人8人体制でシーズンに臨んだ。新助っ人の中でも大きかったのはスアレス。ソフトバンクから移籍した右腕は160キロ前後の真っ直ぐを武器に守護神となり、25セーブで最多セーブのタイトルを獲得した。

 またエドワーズ、ガンケルの2人も成績を見れば、まずまずの内容。野手でもボーアが打率.243、17本塁打、サンズが打率.257、19本塁打と、こちらもまずまずの成績を残した。新戦力のほとんどがチームへの貢献を示す指標「WAR」で“代替可能レベル”とされる「0.0」を上回っている。

【中日】合計WAR1.9(平均0.63)
L・ゴンサレス投手
28試合0勝0敗0S4H 4.78 WAR0.5
Y・ロドリゲス投手
11試合3勝4敗0S0H 4.12 WAR1.8
M・シエラ外野手
25試合80打数18安1本7点 .225 WAR-0.4

 昨季8年ぶりにAクラス入りを果たした中日の新助っ人は3人だった。ゴンサレスは28試合に登板して防御率4.78、ロドリゲスは先発として11試合に投げて3勝、防御率4.12とまずまず。シエラは25試合の出場にとどまった。

 中日にはビシエドやR・マルティネス、アルモンテといった助っ人が既に在籍しており、新戦力の出番は多くなかった。それでも、ゴンサレス、ロドリゲスの2人のWARは代替可能水準は超えている。

広島とヤクルトは新戦力のWARの合計がマイナスに…

【DeNA】合計WAR2.8(平均0.93)
マイケル・ピープルズ投手
10試合2勝2敗0S0H 4.97 WAR0.5
高城俊人捕手
23試合42打数8安3本5点 .190 WAR0.0
タイラー・オースティン内野手
65試合238打数68安20本56点 .286 WAR2.3

 昨季は4位に沈んだDeNA。新助っ人はピープルズ、オースティンの2人で臨み、高城が出戻りで復帰した。その中でオースティンは故障が相次ぎ、65試合の出場に終わったものの、打率.286で20本塁打。その長打力を存分に発揮し、セ・リーグの助っ人ではトップのWAR2.3を記録した。

 ピープルズは先発として10試合に登板して2勝止まり。ただ、オースティンの働きもあって、平均WARは高い値になった。オースティン、ピープルズともに今季も残留が決まっており、ソト、エスコバーと助っ人陣を形成する。

【広島】合計WAR-0.5(平均-0.16)
DJ・ジョンソン投手
14試合0勝0敗0S1H 4.61 WAR0.4
テイラー・スコット投手
7試合0勝3敗0S0H 15.75 WAR-0.1
ホセ・ピレラ外野手
99試合316打数84安11本34点 .266 WAR-0.8

 2016年から3年連続でリーグ制覇を果たしていた広島だったが、昨季は5位に沈んだ。助っ人の不振も低迷の一因で新助っ人たちも目立った活躍を見せられなかった。DJ・ジョンソンはシーズン中に楽天へトレードで移籍した。

 スコットはクローザーとして開幕を迎えたが、立て続けに抑えに失敗。わずか7試合の登板に終わり、防御率は15.75となった。ピレラは99試合に出場して打率.266、11本塁打を記録したが、守備指標の悪さもあって貢献度を示す「WAR」はマイナス。新戦力たちの平均WARもマイナスになっている。

【ヤクルト】合計WAR-0.8(平均-0.1)
マット・クック投手
7試合0勝3敗0S0H 7.88 WAR0.2
ガブリエル・イノーア投手
9試合0勝3敗0S0H 10.13 WAR-0.3
長谷川宙輝投手
44試合1勝2敗0S7H 5.82 WAR1.0
今野龍太投手
20試合0勝1敗0S0H 2.84 WAR1.0
嶋基宏捕手
20試合41打数4安0本4点 .098 WAR-0.6
アルシデス・エスコバー内野手
102試合377打数103安1本30点 .273 WAR-2.4
※歳内宏明投手
7試合1勝2敗0S0H 4.28 WAR0.4

 2年連続で最下位に沈んだヤクルト。メジャーでゴールドグラブ賞を獲得したエスコバーが補強の目玉だったが、期待ほどの活躍を見せられず。102試合で打率.273とまずまずだったが、ほぼ単打と破壊力に欠け、さらには守備指標で大きなマイナスに。貢献度を表す「WAR」は-2.4という結果になった。

 また、投手陣を厚くさせる存在として期待されていたクック、イノーアの2人は全く戦力になれず。ともに1勝もあげられなかった。ソフトバンクから加入した長谷川は中継ぎとして戦力になったが、トータルで見れば“補強”とはならなかった。

 昨季も球団ごとに成果が分かれる結果となった補強戦略。果たして今季、それが功を奏し、ペナントレースを制するのはどの球団になるだろうか。(Full-Count編集部)