2018年最多セーブが昨年の先発転向経て抑え復帰

 今季から楽天の抑えに復帰する松井裕樹投手は、プロ1年目のオフから7年連続で田中将大投手と自主トレをともにしてきた。沖縄・金武町キャンプ初日の練習終了後、8年ぶりにチームに復帰する7歳上の“師匠”の凄さを語り尽くした。

 田中将の凄さを語る松井の目は光り輝いていた。「田中さんほどになれば、毎年同じようにやっていけばいいのかなと思ってしまうのですが、常にモデルチェンジして、より良くなるように工夫されている」と熱弁を振るう。具体例として「投球フォームに修正を加えたり、グラブの閉じ方、靴下にまで細かく気を配っている」と指摘した。

「グラブの閉じ方」とは、相手打者に球種がバレないグラブの使い方とか、そんな話ではないのだ。「グラブそのものの構造の話です。グラブというのは2枚の革を結び付けてできていますが、紐の通し方で閉じ方が変わってくるのだと教わりました。指の入れ方によっても、もちろん変わります」と説明する。

 一方、田中将の靴下は、親指と他の指の部分に分かれた“足袋”型だとか。松井は「僕は5本指に分かれた靴下を使っていたのですが、5本全部を意識するより、親指の力をしっかり使うために、親指とそれ以外という分け方の方がいいそうです」と明かし、「僕も一昨年から真似していて、感覚がいい」と笑った。

 今季から「田中さんが近くにいることで、学べる時間が増える」と松井が目を輝かせているのは当然。他の投手にも好影響を与えそうだ。

石井新監督がブルペン投球を見守る場面も 「配球面でもアドバイスを頂けたらと」

 田中将がキャンプのどの時期にチームに合流するかは未定だが、松井は初日から飛ばした。ブルペンで捕手を座らせ、カーブも交えて25球。威力十分のストレートは、全力投球に近いように見えた。「沖縄は想像以上に温かくて、体は動いています。負荷がかかっているので、自制しながらケガに気をつけて、その中で状態を上げていければと思います」と手応えありげに話す。

 2019年に38セーブを挙げ最多セーブに輝いたが、自身の希望で先発に転向した昨季は結果が出ず、10月にリリーフに戻った。今季は新たに現場の指揮も執ることになった石井一久GM兼監督と話し合い、開幕から守護神を務めることが決まっている。

 この日、石井監督が松井の投球をじっと見守る一幕もあった。石井監督は現役時代に同じ左腕で日米通算182勝を挙げているとあって、松井は「いろんな経験をされている方ですし、同じ左投手でスライダーと真っすぐを主に使っているところも同じ。配球面でもアドバイスを頂けたらと思います」と頼もしげに語った。

「今年は先発陣に素晴らしい投手が多いので、単純に勝ちゲームで自分に回ってくることが増えると思うし、自分の役割が重要になると感じています」と松井。守護神復活を誓う左腕には今年、願ってもない強力な味方が2人もいる。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)