候補3年目で殿堂入り、リベラに次ぐセーブ数誇る伝説のクローザー

 2018年度の全米野球記者協会の投票で米国野球殿堂に選出されたトレバー・ホフマン氏はカリフォルニア州出身の右腕投手。候補になって3年目の今年、79.9%の得票率(75%以上が当選)で選出された。

 1967年10月生まれ。1989年、アリゾナ大からドラフト11巡目(全体290位)でシンシナティ・レッズに入団。今年同時に殿堂入りしたジム・トーミもこの年のドラフトでプロ入りしている。

 ホフマンは大学時代は内野手。NCAAで打率.321をマークした好打者だったが、マイナーでは通算打率.225と振るわず、1991年に投手に転向。当初から救援投手。92年11試合だけ先発にまわったが、あとはずっと救援投手としてマウンドに上がる。

 この年のオフにMLBのエキスパンション(球団拡張)に伴う拡張ドラフトでマイアミ・マーリンズに指名され移籍。

 マーリンズではレッズマイナーでの成績が評価され、1993年4月6日のドジャース戦でメジャーデビュー。9回2死に登板し、エリック・デービスを三振に切って取る。2-4の負け試合だったが、幸先の良いスタートとなった。

 しかし、ホフマンの身分は目まぐるしく変化する。6月にトレードでパドレスに移籍したのだ。

 すると、以後、ホフマンはサンディエゴ・パドレスの絶対的な守護神になっていく。94年に20セーブ、95年から8年連続で30セーブ。これはMLB史上初だった。

 98年には53セーブでセーブ王。救援投手ながら、サイ・ヤング賞投票でトム・グラビンに次ぐ2位になる。2003年に肩の手術をして0セーブに終わるが、翌年から4年連続40セーブ、6年連続30セーブを記録した。

殿堂入りまで3年かかったのが不思議なくらい?

 武器は速球と、ほとんど変わらないフォームから繰り出されるチェンジアップ。シーズン50試合以上登板して、四球は15個前後という安定した制球力があった。先発投手以上に過酷だとされるクローザーで18年にわたってほとんど故障せず投げ続けたが、これはプロ入り以前に投手経験がほとんどなく、肩、肘が温存されたことが大きいと言われた。

 2008年オフにFAとなる。財政難のパドレスはホフマンを抱えることができず、ファンに惜しまれながらミルウォーキー・ブルワーズに移籍。2年で47セーブを挙げて引退した。

 パドレスの本拠地クアルコム・スタジアムやペトコ・パークでホフマンが登場するときにかかった”Hells Bells”は、パドレスのチームメイトだった大塚晶則も使用を許されたが、その後も多くの投手が使っている。

 マリアノ・リベラに抜かれたものの、601セーブはMLB歴代2位、ナ・リーグ1位だ。

MLB通算セーブ数5傑

1、マリアノ・リベラ 657
2、トレバー・ホフマン 601
3、リー・スミス 478
4、フランシスコ・ロドリゲス 437
5、ジョン・フランコ 424

 2014年からア・リーグの最優秀救援投手賞はマリアノ・リベラAL最優秀救援投手賞、ナはトレバー・ホフマンNL最優秀救援投手賞と改められたが、2人の実績から見れば当然だと言えよう。

 むしろ殿堂入りまで3年もかかったのが不思議なくらいだ。ナ・リーグでホフマンのセーブ記録を抜く投手は当分、現れないだろう。(広尾晃 / Koh Hiroo)