昨季中に巨人との間にトレード3件成立の積極果敢

 楽天の池田隆英投手と日本ハムの横尾俊建内野手のトレードが27日に両球団から発表された。楽天の石井一久GM兼監督はGM専任だった昨年、シーズン中に巨人との間だけでも3件のトレードを成立させたが、現場の指揮を執る今季も積極的に選手の入れ替えに乗り出した。

「うちは外国人選手がいつ来れるかわからない状況がある。長いシーズンを考えてバッターには厚みを持たせたい」と指揮官。獲得した横尾は、日大三高、慶大を経てドラフト6位で入団。6年目を迎えた右の強打者で、愛称は“おにぎり君”。本塁打を放った後、おにぎりを握るポーズを披露することでも知られる。

 楽天はコロナ禍の影響で、新外国人のルスネイ・カスティーヨ外野手とブランドン・ディクソン内野手に入国のメドが立っていない。そんな中、沖縄・金武町での春季キャンプでは、2年目・19歳の黒川史陽内野手、3年目・24歳の辰己涼介外野手、同じく3年目・24歳の小郷裕哉外野手らが台頭したが、いずれも左打者で、右打ちの野手が手薄なチーム事情もある。「そこもありますし、チームは常に順調にいくわけはないので、備えとして選手層に厚さを持たせたい」と石井監督は説明した。

「池田選手にも、いい笑顔を見せてもらえるような野球生活を送ってほしい」

 一方、池田隆は2018年に15試合1勝5敗4ホールド、防御率5.91の実績を残した右腕。故障などで2019年オフに育成選手となったが、昨年イースタン・リーグで21試合1勝1敗、防御率1.65で復活を実証し、オフに再び支配下登録を勝ち取った。だが、今季の楽天投手陣は8年ぶりに田中将大投手が復帰し、ドラフト1位の早川隆久投手(早大)をはじめ新人投手4人もキャンプで1軍メンバー入りして充実度を増している。池田隆は2日前の25日に、DeNAとの練習試合(宜野湾)に2番手で登板し、2回を1人の走者も許さずパーフェクトに抑えたばかりだが、補強ポイント改善のために放出に踏み切った。

 石井監督は「日本ハムさんが池田選手を獲得したいということだった。今日(27日)も今野とか近藤が投げていたが、2人と話していても、いい顔をしている。池田選手にも、いい笑顔を見せてもらえるような野球生活を送ってほしい」とエールを送った。この日はヤクルトで今野龍太、近藤弘樹両投手が登板し、いずれも1イニングを無失点に抑えた。今野は一昨年、近藤は昨季限りで楽天から戦力外通告を受け、ヤクルトに移籍した経緯がある。

 昨季中に楽天から巨人に移籍したゼラス・ウィーラー内野手、高梨雄平投手は欠かせない戦力としてリーグ優勝に貢献。そこにより多くの出場機会があるなら、トレードは選手にとって歓迎すべきことだろうし、送り出した側も移籍先で活躍されたからといって失敗と捉えるべきではないだろう。WINWINの結果になれば何よりだ。石井監督はトレードにネガティブな印象を持っておらず、獲得した選手はもちろん、放出した選手の飛躍も願っている。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)