DeNA先発・上茶谷に沈黙も、3番手・平田から1安打を放ち俊足もアピール

■阪神 4-0 DeNA(10日・横浜)

 阪神のドラフト1位ルーキー・佐藤輝明内野手と、プロの相手投手たちが“我慢比べ”を展開している。徹底した内角攻めに対し、佐藤輝は相手の失投を逃さずに遠くへ飛ばそうとフルスイングを続ける。10日に敵地・横浜スタジアムで行われたDeNA戦では「6番・右翼」でスタメン出場し4打数1安打1盗塁。結果以上に見どころ満載だった。

 DeNA先発・上茶谷の佐藤輝対策は明確だった。3打席対戦し、計7球全てが内角のストレート。しかも、ほとんどが高めだった。2回1死走者なしでの第1打席は144キロに空振り三振。4回2死一塁での第2打席は同じ144キロを打ち上げ三飛。7回1死走者なしでの第3打席は、143キロに対して捕邪飛に倒れた。上茶谷は「ストレートの調子が良かった」とうなずいた。

 しかし、相手投手が代われば話は別だ。DeNAは9回に登板した3番手の平田が乱調。阪神は1-0とリードした1死二塁でサンズが5号2ランを放ち、続く佐藤輝への初球のカーブは外角高めに大きく外れた。2球目のインハイの146キロを打って出ると、打球は一塁側最後方の「ライトウイング席」まで届く大ファウルとなり、観客を沸かせた。そしてカウント2-2から同じ内角高めの146キロに詰まらされながら、しぶとく中前に運んだ。

 しかもこれだけでは終わらなかった。続く梅野の初球に今季2個目の盗塁に成功(二盗)。その後1死一、三塁となり、中野の二ゴロで三塁から本塁へ突入。タッチをかいくぐるようにして滑り込みチームにとって貴重なダメ押し点をもぎ取った。

 9日の同カードでは、2番手・国吉が真ん中に投じたカットボールを逃さず、右中間の場外へ消える推定飛距離140メートルの特大弾で周囲の度肝を抜いた。10日現在、今季全14試合に出場し、スタメン落ちは6日の中日戦の1度だけ。打率.192(52打数10安打)、3本塁打、2盗塁の数字以上に鮮烈なインパクトを残している。リーグ断トツの23三振(2位の巨人・梶谷が14三振)さえ、豪快な魅力を放っている。

 佐藤輝が相手の内角攻めを克服するのが先か、それともインコースを過剰に意識させられ打撃を崩すのが先か。いずれにせよ今、新人離れしたスケールの大きさは一見の価値がある。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)