28日の楽天戦で3回を完全投球「監督、コーチにいいものをみせていかないと」

 かつてのチームメートが、ほんの僅かな時間差を置いてマウンドに上がった。楽天の池田隆英投手とソフトバンクの田中正義投手。ともに2016年のドラフトで創価大から、プロの世界へと身を投じた同級生が、練習試合とはいえ、同じマウンドに立った。

 2月28日、宮崎のアイビースタジアム。田中の属するソフトバンクのキャンプ地で行われた「球春みやざきベースボールゲームズ」ソフトバンク対楽天戦で2人は登板した。

 まず先にマウンドに上がったのは、楽天の開幕ローテ入りを争っている池田。この日の先発を務めると、昨季日本一に輝いたホークス打線を相手に3イニングを投げて、許した安打は内野安打1本。打者9人で無失点に封じ、ローテ入りアピールに成功した。

 田中はソフトバンクの4番手として8回に登板。1イニングを投げて1人の走者も許さずに、きっちり3者凡退に切って取った。最速150キロもマークした。こちらは開幕1軍に残れるかどうかの競争の真っ只中。こちらもアピールとなった。

 ともに創価高から創価大へと進み、7年間同じチームで切磋琢磨してきた仲間であり、ライバルだった。高校時代は池田がエースで、田中は右肩の故障もあって中堅手だった。大学に入ると、田中が投手に再転向し、一気に頭角を示す一方で、池田は高校3年時に負った右膝前十字靭帯断裂の影響でリハビリの日々が続いた。

田中は「自分よりも数段上のステージにいる」、池田は「どちらも結果を出していない」

 田中は大学2年生で一気にその名を広め、3年時にはユニバーシアード代表としてNPB選抜と対戦した際に7者連続三振を奪って、一気にドラフト1位候補となった。一方の池田は、田中が右肩痛を再発させてほとんど投げられなかった4年生の春に大学でのリーグ戦初勝利を挙げ、田中が復帰してWエースとして戦った秋のリーグ戦では最多勝の4勝、防御率0.83をマークしてベストナインにも輝いている。2016年のドラフト。5球団競合の末に田中はソフトバンクへと、池田もまたドラフト2位で楽天へと入団した。

 ルーキーイヤーは共に故障に苦しめられ、1軍登板は無し。それだけに2年目の今季にかける想いはそれぞれ強い。その2人が練習試合とはいえ、同じ日に登板した。それぞれは、互いの姿をどう見たのだろうか。

 立ち位置として、自らが下にいると語ったのは、田中だった。この日先発した池田の姿を見て「凄くバランスよく投げているなと思いました」と言うと「1軍のローテを争うところで戦っている。自分も負けないようにしたい。自分よりも数段上のステージにいると感じました。池田はレベルの高いところで争っている。自分もそこにいかないといけない。1軍で投げ合えるように頑張りたいなと思います」と語った。

 一方の池田は、田中について問われると「どちらも結果を出していないし、結果を出したいというのが僕らの思い。投げ合いたかったですけど、あっちも結果を出さないといけないので。刺激されるし、負けたくないというより、正義が頑張っているから、僕も頑張ろうと思える存在ですね」と語った。2人は、ホークスの宿舎でも面会し、語り合ったという。

 ともに、ここからの1か月のアピールが、開幕1軍の道を大きく左右する。重要な1か月間となる。田中正義と池田隆英。お互いを高め合ってきた盟友は、ホークス、イーグルスそれぞれのチームで1軍の座を掴みとることができるか。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)