セイバーメトリクスの指標で鮮明になる吉田正の存在の大きさ

 大混戦となっている今季のパ・リーグの優勝争い。5日を終えた時点でロッテがオリックスから首位の座を奪い、1位から4位までがわずか4ゲーム差にひしめいている。

 5日のソフトバンク戦に大敗し、6月20日から守ってきた首位の座を明け渡したオリックス。首位陥落とともに、大きな痛手となるのが、主砲・吉田正尚外野手の離脱だ。3日の試合の9回に内野安打を放った際に左太もも裏を負傷。4日の試合は代打で出場したものの、左ハムストリングスの筋損傷のため、5日に出場選手登録を抹消された。

 吉田正の存在の大きさは言うまでもない。ここまで104試合に出場し、376打数127安打でリーグトップの打率.338をマーク。今季は本塁打数も20本を数え、こちらもリーグ4位に位置している。わずか26三振しか喫しておらず、出塁率.429も西武の森友哉捕手に次ぐリーグ2位だ。

 この成績だけでも、吉田正尚がオリックスにとって“替えの効かない”存在であることが分かる。ただ、セイバーメトリクスの指標を紐解くと、さらに、吉田正が傑出した選手であることがより鮮明になる。セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTAのデータから検証してみよう。

ポジション別wRAAで見ても、大きな違いを生んでいた吉田正

 打撃面においてどの部門でも12球団でトップクラスの数字を残す吉田正。リーグの平均的な打者が打つ場合に比べて、どれだけチームの得点を増やしたかを示す「wRAA」は36.9と12球団でナンバーワン。両リーグで本塁打王を争うヤクルトの村上宗隆内野手や巨人の岡本和真内野手、ソフトバンクの柳田悠岐外野手よりも上に位置する。

 打席あたりの得点創出能力を示す「wRC+」はリーグトップの183。12球団全体で見れば、DeNAのオースティン(185)をわずかに下回るものの、平均的な打者と比較して83%も得点を増やしたことになる。

 また、各球団のポジション別の「wRAA」を比較しても、吉田正が守ってきたオリックスの「41.4」はパ・リーグで群を抜く。杉本裕太郎の右翼、宗佑磨の三塁がプラスながら、それ以外のポジションは軒並み「wRAA」がマイナスになるオリックス。どれだけ、吉田正尚が他球団との“違い”を生み出していたかが分かる。

 吉田正の離脱により、オリックスの得点力が大きな打撃を受けることは確実。主砲の穴を打線全体で埋められるか、そして、投手陣がカバーできるか。終盤戦でチームとしての総合力を試される試練に直面した。(Full-Count編集部)