帝京大・大友は「7番・捕手」で先発出場、先制となる二塁打を放つ

 帝京大の扇の要がスカウトたちの視線を集めた。19日、神奈川・等々力球場で行われた首都大学野球1部リーグ戦。武蔵大との一戦に「7番・捕手」で先発出場した大友宗捕手(4年)が1打席目で左翼フェンス直撃の先制適時二塁打を放つなど攻守で活躍。13日に「プロ野球志望届」を提出した強肩捕手の姿に、バックネット裏で視察したスカウトも「素晴らしいものを持っている」と評価した。

「自分の中で先を考える余裕は出てきたなと思います」。京都・鳥羽高から帝京大に進学。1年春からベンチ入りしたが、当時は代打や指名打者での出場で、捕手としてレギュラーの座を掴んだのは、4年の春になってからだった。

「春は右も左も分からないままやっていたので……」。送球が逸れたり、ブロックできずに後逸したりとミスが重なった。リード面でも2巡目に入ると捕まることを何度も繰り返した。ただ、苦しんだ中でも捕手への思い、そして努力は忘れなかった。

「捕手は試合を支配できる。それがすごい楽しいです」。練習後もYouTubeで捕手の技術を学ぶ日々。中でも、憧れるのはカージナルスのヤディアー・モリーナ捕手。送球やフレーミングを参考にすると、徐々に盗塁を刺す回数も増えてきた。その結果、試合中の余裕も生まれ「常に先手先手で考えることができるようになった」と、リード面でも自信を持てるようになった。

スカウトは遠投120メートル、二塁送球1.80秒の強肩を評価

 この日、チームは7回に逆転されて2-4で敗れたものの、大友は2回1死二塁で先制となる左翼フェンス直撃の二塁打を放ち、先発の鈴木翔也投手(3年)を6回まで無失点と引っ張った。

 バックネット裏に訪れていた巨人、楽天のスカウトが高く評価したのはその強肩。遠投は120メートル、二塁送球は最速1.80秒を誇り、これはNPBの1軍の選手と比較しても引けを取らない。

 楽天の部坂俊之スカウトは「肩に関してはプロでもやっていける」と断言し「スローイングや肩の強さはとても素晴らしいものを持っている。まだ、捕手としての経験が浅いところがあるが、ブロックやリードの面はこれからの練習でなんとかなるでしょう」と、未完の“好素材”として評価する。

 また、巨人の内田強スカウトも「素材的にはとてもいい。(大化けの予感も)有り得ます」と期待。「飛ばす力も肩の強さも良いものを持っています。真上から送球するので、送球が横に逸れにくい。また、立ち姿が春からの成長を感じています」と、将来性やスローイング技術に言及した。

 プロ入りという壁が高いことは分かっている。にも関わらず、「子どもの頃からの夢だった」と挑戦することを決めた大友。今までにない緊張を感じつつ、秋季リーグはこれからも続く。来月11日、ドラフト会議での吉報を信じ、帝京大の扇の要として戦い続ける。(川村虎大 / Kodai Kawamura)