「満足はしていないだろうが、来年フルでやっていけそうなものをつかんでほしい」

■DeNA 2ー1 中日(10日・横浜)

 DeNAの今永昇太投手は10日、本拠地・横浜スタジアムで行われた中日戦に先発し、7回まで108球を投げ7安打1失点。チームのサヨナラ勝ちに貢献した。左肩の手術で出遅れたエースが、輝きを取り戻しつつある。

「復活というより、新しい技を見せてくれつつあると思う」。今季の今永の投球をこう評するのは三浦大輔監督だ。

 この日の今永は2回、先頭の福田、高橋周に連打を浴び無死二、三塁のピンチを背負うも、桂にインハイのストレートを2球見せた後、カウント2-1から外角低めのチェンジアップを打たせ、遊ゴロに仕留める。この間に三塁走者が生還し先制こそ許したが、冷静に後続を断ち最少失点で乗り切った。

 3回を3者凡退で切り抜けた後も、4回から7回まで毎回走者を許す“苦投”。ストレートの威力、変化球のキレは本来の出来には程遠い。それでも、チェンジアップ、スライダー、カーブ、カットボールなどを丁寧にコーナーへ配球し、相手打者の目先をかわした。「調子は良くなかったですが、野手の皆さんに助けてもらい、戸柱さんの相手の裏をかくリードのおかげで最少失点で抑えることができました」と振り返った。

今季は5月に復活登板、5勝4敗「球数が多くなると、少し体が重くなったりする」

 2019、20年に2年連続開幕投手を務めたエースは昨年10月に左肩のクリーニング手術を受けた。今季1軍初登板は5月23日のヤクルト戦まで遅れ、現在5勝4敗、防御率2.76。数字的には上々だが、本人は忸怩たる思いを拭えない。

 前回登板の3日の巨人戦は、今季最多タイの118球、今季最多の13奪三振の力投で7回2失点。中6日で迎えたこの日は「今季はキャンプで100球投げたわけではないので、試合で球数が多くなると、少し体が重くなったりすることがあります」と不安も明かしていた。

 三浦監督は「今永本人はまだまだ満足していないだろうが、回復力を含めて手応えはつかみつつあると思う。今季残り何試合かで、来年は1年間フルでやっていけそうだというものをつかんでほしい」と言う。

 苦闘の中で新たな配球術を身につけた今永に、本来の球威が戻れば、来季は鬼に金棒と言えるかもしれない。左肘内側側副靭帯再建術(トミー・ジョン手術)から9月28日のヤクルト戦で1軍復帰したばかりの東、リハビリ中の平良、入江らの励みにもなりそうだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)