西武・榎田は阪神時代に救援、移籍後先発で活躍

 今オフは実績ある左腕投手の戦力外が続いている。西武の榎田大樹投手は阪神時代に球宴出場、西武移籍後は先発として2桁勝利を挙げた。広島の中村恭平投手は2019年に勝ちパターンの一角を占めたこともある。各球団がこぞって探し求める希少価値の左腕。この中に宝物が眠っている可能性がある。

 西武が戦力外とした榎田は、2010年のドラフト1位で阪神に入団し、セットアッパーとして活躍した。2018年の開幕直後に西武へ移籍すると、先発として再起。23試合に投げ11勝4敗、防御率3.32を残した。今季は1軍登板がなかったものの、2軍では13試合で1勝1敗、防御率1.83と救援で好成績を残した。

 また、同じく西武の小川龍也は2010年に中日入団、2018年途中に西武へ移籍し、2019年には55試合で4勝1敗、15ホールドと活躍。昨季も38試合に登板した。今季は1軍5試合登板にとどまったものの、2軍では31試合で防御率0.85と素晴らしい成績が残る。

 ソフトバンクの川原弘之はロマンの塊だった。2012年の2軍戦で当時の日本人最速となる158キロを記録している。その後は故障続きで、2015年オフに育成契約へ移行。2019年に支配下復帰し、1軍19試合に投げた。今季は1軍登板がなく、2軍で29試合に投げ3勝1敗4セーブ、防御率5.10。

 同じくソフトバンクから戦力外となった渡邉雄大は、2017年の育成ドラフト6位でBC新潟から入団。3年目の2020年に支配下入りし、1軍デビューした。今季2軍では34試合で勝敗なしの1セーブ、防御率1.67と、なかなかの成績だ。

2度の戦力外経て、23年間プレーした左腕の例も

 オリックスの飯田優也は2012年の育成ドラフト3位でソフトバンクに入団。支配下入りした14年から4年続けて2桁の登板を記録した。2018年に阪神、2020年にオリックスに移籍すると出場機会を減らしたものの、今季2軍では26試合で防御率2.63。投球回以上の奪三振も記録している。

 広島の中村恭は2010年のドラフト2位で入団し、2019年にリリーフとして開花。43試合で0勝1敗12ホールド、防御率2.64の好成績を残した。昨季も14試合に投げ防御率0.96。今季は1軍登板がなく、2軍でも16試合で0勝3敗、防御率7.32にとどまった。

 ヤクルトの中尾輝も救援として実績がある。2018年には54試合に登板、7勝3敗12ホールド、防御率3.50を残しチームの2位躍進に貢献した。今季は1軍登板がなく、2軍で16試合に投げ防御率5.79。

 戦力外通告から、移籍して現役延長を勝ち取れる選手は毎年一握り。ただ左腕は、希少価値を認められる可能性が高い。2014年にオリックスを戦力外となった八木智哉は中日入りし、広島キラーとして再起。翌年は1軍14試合に投げ4勝するなど、さらに3年の現役生活を送った。

 さらに2度、戦力外とされながら41歳まで投げ続けた左腕もいる。1986年のドラフト1位で阪急に入団した高木晃次は、制球難から1軍になかなか定着できず1997年、移籍したダイエーで戦力外に。その後ヤクルトにテスト入団すると野村克也監督に見いだされ、リリーフ、先発として活躍した。2001年に2度目の戦力外となってもロッテに移籍し、8年間2桁の1軍登板を記録し続けた。通算357試合で29勝36敗3セーブ。細く長い、23年の現役生活だった。

 今年戦力外となった左腕にも、現役続行を希望している選手が多い。新天地を掴み、アッと驚く活躍を見せる投手が現れるだろうか。(Full-Count編集部)