最も打撃に優れた選手を選出、パ・リーグ捕手は断トツで西武・森友哉

 エンゼルスの大谷翔平投手が、日本人ではイチロー氏以来2人目の受賞者となった「シルバースラッガー賞」。各ポジションで1人ずつ、シーズンで最も打撃で優れていた選手が選出される賞で、守備によって選出される「ゴールドグラブ賞」とは対を成す賞となっている。日本のプロ野球にも「ベストナイン」があるものの、打撃に特化しているというよりも、守備との総合評価によって選出されている傾向がある。

 では、2021年シーズンのプロ野球で打撃に特化した日本版「シルバースラッガー賞」を選ぶとすると、どうなるか。セイバーメトリクスの指標などでデータ分析を行う株式会社DELTAのデータを基に検証、選出してみたい。選出には打席あたりの総合的な打撃貢献をを示す「OPS」、リーグの平均的な打者と比べてどれだけチームの得点数を増減させたかを示す「wRAA」、打席あたりの得点創出を評価する「wRC+」などの指標を活用する。今回は「捕手編」だ。

 パ・リーグの捕手は文句なしで西武の森友哉捕手となるだろう。今季は125試合に出場して、リーグ2位の打率.309。11本塁打41打点は本来のものとは言えないものの、OPS.908、wRC+175、wRAA39.3は全てパ・リーグ捕手の中では群を抜く。森に次ぐのがソフトバンクの甲斐拓也捕手だが、OPS.658、wRAAは-4.0、wRC+は95とどれもリーグの平均打者を下回る。森が捕手として卓越した打撃を有していることが改めて分かる結果となる。

 セ・リーグの捕手に目を移すと、広島の坂倉将吾捕手が最有力だろう。今季は132試合に出場してリーグ2位の打率.315をマークし、12本塁打68打点とこちらも好成績だ。今季の坂倉は捕手だけでなく、一塁手でも出場しており、捕手でのスタメン出場は53試合しかないが、捕手として打率.345、OPS.939を記録しており、これは西武の森をも上回る。wRAAは15.8、wRC+は160でこちらもセ・リーグの捕手の中でトップになる。

 坂倉の対抗馬となりそうなのが、中日の木下拓哉捕手とヤクルトの中村悠平捕手。木下は123試合で打率.270、チームで2番目となる11本塁打を放った。中村も123試合に出場して打率.279を記録し、シーズン中盤以降は6番を任されて打線の中でも大事な役割を果たしていた。ただ、試合数は少ないとはいえ、坂倉のインパクトは大きく、坂倉が選出に相応しいと言えるだろう。(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1〜3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』も運営する。